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特集 ここを知りたい!頭部外傷初期対応・慢性期ケア 【頭部外傷ベーシックス】
頭部外傷後よくある後遺症とその対応方法
著者: 並木淳1
所属機関: 1慶應義塾大学病院救急科
ページ範囲:P.626 - P.630
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抗てんかん薬の予防的投与と治療的投与
頭部外傷を原因とする症候性てんかんを「外傷性てんかん(posttraumatic seizure : PTS)」と呼ぶ.抗てんかん薬の予防的投与と治療的投与の違いを理解するためには,まず発症時期による分類を知っておく必要がある(表1).受傷後7日以内の発症を「早期てんかん(early seizure)」,受傷後8日以後の発症を「晩期てんかん(late seizure)」と呼び1),急性期の病態が最も不安定な時期を経過した後に発作を認める晩期てんかんが,狭義の(後遺症としての)「外傷性てんかん」である.
早期てんかんは頭蓋内圧(intracranial pressure:ICP) を亢進させる危険があるため,積極的に予防することが推奨されている.一方,晩期てんかんに対する抗てんかん薬の予防的投与は原則として行わない1).
抗てんかん薬の予防的投与と治療的投与
頭部外傷を原因とする症候性てんかんを「外傷性てんかん(posttraumatic seizure : PTS)」と呼ぶ.抗てんかん薬の予防的投与と治療的投与の違いを理解するためには,まず発症時期による分類を知っておく必要がある(表1).受傷後7日以内の発症を「早期てんかん(early seizure)」,受傷後8日以後の発症を「晩期てんかん(late seizure)」と呼び1),急性期の病態が最も不安定な時期を経過した後に発作を認める晩期てんかんが,狭義の(後遺症としての)「外傷性てんかん」である.
早期てんかんは頭蓋内圧(intracranial pressure:ICP) を亢進させる危険があるため,積極的に予防することが推奨されている.一方,晩期てんかんに対する抗てんかん薬の予防的投与は原則として行わない1).
参考文献
1)日本脳神経外科学会,日本脳神経外傷学会(監):重症頭部外傷治療・管理のガイドライン.第3版.pp74-76,医学書院,2013. <2013年の改訂により,抗てんかん薬の予防的投与の適応と投与期間に関する米国ガイドラインとの相違が解消された>
2)日本神経学会(監):てんかん治療ガイドライン2010.pp24-39,医学書院,2010. <てんかんの薬物療法について,内科疾患の合併時の選択薬や注意すべき併用薬などが記されている>
3)日本神経学会(監):てんかん治療ガイドライン2010.pp1-16,医学書院,2010. <てんかんとは何か,問診で必要な事項は何か,発作型の分類などについて解説されている>
4)並木淳,堀進悟(監):救急白熱セミナー 頭部外傷実践マニュアル.pp60-69,中外医学社,2013. <頭部外傷の救急治療における,抗てんかん薬の使い方に関するマニュアル>
5)一般社団法人高次脳機能障害ネットワーク:高次脳機能障害診断基準.高次脳機能障害.net.http://koujinou.net/koujinoukinoushougai/kijun.php <高次脳機能障害情報のポータルサイト>
6)日本脳神経外科学会,日本脳神経外傷学会(監修):重症頭部外傷治療・管理のガイドライン第3版.pp175-189,医学書院,2013. <外傷に伴う低髄液圧症候群の診断基準,画像診断(MRIの撮像プロトコールを含む),治療方針が記されている>
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