文献詳細
文献概要
特集 ここを知りたい!頭部外傷初期対応・慢性期ケア 【場面別頭部外傷初期アプローチ】
小児の軽症頭部外傷への対応
著者: 植松悟子1
所属機関: 1国立成育医療研究センター救急診療科
ページ範囲:P.631 - P.634
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患児:6カ月,男児.
既往歴:なし.
現病歴:自宅の両親のベッドに児を寝かせていた.母親は隣の台所で夕食の準備をしていたが,「ドン」と音がして泣き声が聞こえたため,すぐ隣室に行ったところ,児はフローリングの床で腹臥位の状態で啼泣していた.前額部に3cmの皮下腫脹を認め,泣きやまなかったので救急外来を受診した.診察時,意識清明,身体所見で前額部皮下腫脹を認める以外に特記すべき所見はなく,母に抱かれている状態では機嫌もよく,普段と変わらない様子であることを確認した.頭蓋内損傷(G1)のリスクは低いと判断して,母親に頭部打撲後の注意事項を説明し,同じ内容のリーフレットを渡して帰宅した.翌日の予定再診でも状態が変わりないことを確認し,自宅で児の変化に気をつけて過ごしていただくよう説明した.
患児:6カ月,男児.
既往歴:なし.
現病歴:自宅の両親のベッドに児を寝かせていた.母親は隣の台所で夕食の準備をしていたが,「ドン」と音がして泣き声が聞こえたため,すぐ隣室に行ったところ,児はフローリングの床で腹臥位の状態で啼泣していた.前額部に3cmの皮下腫脹を認め,泣きやまなかったので救急外来を受診した.診察時,意識清明,身体所見で前額部皮下腫脹を認める以外に特記すべき所見はなく,母に抱かれている状態では機嫌もよく,普段と変わらない様子であることを確認した.頭蓋内損傷(G1)のリスクは低いと判断して,母親に頭部打撲後の注意事項を説明し,同じ内容のリーフレットを渡して帰宅した.翌日の予定再診でも状態が変わりないことを確認し,自宅で児の変化に気をつけて過ごしていただくよう説明した.
参考文献
1)救急医療財団心肺蘇生法委員会(監):改訂第4版 救急蘇生法の指針2010(医療従事者用).へるす出版,2012.
2)Kuppermann N, et al : Identification of children at very low risk of clinically-important brain injuries after head trauma ; a prospective cohort study. Lancet 374 : 1160-1170, 2009.
3)Dunning J, et al : Derivation of the Children's head injury algorithm for the prediction of important clinical events decision rule for head injury in children. Arch Dis Child 91 : 885-891, 2006.
4)Maguire JL, et al : Should a head─injured child receive a head CT scan? ; a systematic review of clinical prediction rules. Pediatrics 124 : e145-154, 2009.
5)Pearce MS, et al : Radiation exposure from CT scans in childhood and subsequent risk of leukaemia and brain tumours ; a retrospective cohort study. Lancet 380 : 499-505, 2012.
6)Easter JS, et al : Comparison of PECARN, CATCH, and CHALICE rules for children with minor head injury ; a prospective cohort study. Ann Emerg Med 64 : 145-152, 2014.
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