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Editorial
治療の標準化と診断の尖端化
著者: 伊藤澄信12
所属機関: 1国立病院機構本部総合研究センター臨床研究統括部 2国立病院機構本部総合研究センター治験研究部
ページ範囲:P.709 - P.709
文献購入ページに移動 ICT(Information and Communication Technology)の進歩で,巷にはさまざまな情報があふれている.ブログやSNSなど,消費者が作成した医療情報が爆発的に増えている.それらの情報は必ずしも科学的根拠に基づくとは限らないが,患者さんの気持ちを揺り動かす.公益財団法人日本病院機能評価機構が厚生労働省の委託事業として公開しているMindsガイドラインセンターには,AGREEⅡで評価され,質が担保された141の診療ガイドラインが掲載されている.診療ガイドライン作成には,❶作成プロセスの不偏性(偏りのない判断の保障,特にCOI),❷エビデンス総体の評価(システマティックレビューに評価と統合),❸益と害のバランスが重要とされ,診療ガイドラインを作成する学会はMindsの作成ワークショップに参加して作成過程を標準化し,質は担保されてきた.
しかしながら,100を超える診療ガイドラインの内容をすべて把握することなど困難なだけでなく,診療ガイドラインそのものもユーザーフレンドリーとは限らない.診療ガイドラインの多くはクリニカルクエスチョン(CQ)単位で構成されているが,CQ単位で診療ガイドラインの横断的検索を可能とし,モバイル端末で利用できるMindsモバイルが8月に公開される.診療ガイドラインに記載されていることを目の前の患者に適応できるかどうかを判断するのは,総合診療医のアート(技術)である.科学的根拠を味方に診療への自信を強化するツールになってほしい.
しかしながら,100を超える診療ガイドラインの内容をすべて把握することなど困難なだけでなく,診療ガイドラインそのものもユーザーフレンドリーとは限らない.診療ガイドラインの多くはクリニカルクエスチョン(CQ)単位で構成されているが,CQ単位で診療ガイドラインの横断的検索を可能とし,モバイル端末で利用できるMindsモバイルが8月に公開される.診療ガイドラインに記載されていることを目の前の患者に適応できるかどうかを判断するのは,総合診療医のアート(技術)である.科学的根拠を味方に診療への自信を強化するツールになってほしい.
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