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文献詳細

雑誌文献

総合診療25巻8号

2015年08月発行

文献概要

特集 健診データで困ったら─こんな検査結果を持ってこられたら 【総論】

2.健康診断と遺伝子検査—予防医療の時代に向けて

著者: 河津晶子12

所属機関: 1聖路加国際病院 一般内科 2聖路加国際病院 人間ドック科

ページ範囲:P.725 - P.728

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 2013年5月,乳癌と卵巣癌の発症リスクに関わる遺伝子検査(乳癌感受性遺伝子1;BRCA1)の結果を受けて,ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーが予防目的で両乳腺切除を行った.その報道を契機に,日本国内でも「遺伝子検査」への注目が集まるようになり,“遺伝子ドック”などの名称で予防医療サービスに加える施設や,インターネットなどで直接消費者に遺伝子検査サービスを提供する企業も増えてきている.しかし,「遺伝情報」は検査を受けた個人だけのものではないため,結果を伝える際の倫理的配慮や情報の管理,また検査精度の問題など多くの課題があり,慎重に取り扱われなければならない.
 本稿では,遺伝子検査の紹介と医療者が取り扱う際の注意点を概説し,健康診断・予防医療における遺伝子検査の今後の課題について考察したい.

参考文献

1)Centers for Disease Control and Prediction :Genomic Testing;ACCE Model Process for Evaluating Genetic Tests. http://www.cdc.gov/genomics/gtesting/ACCE/(2015年7月13日現在)
2)日本医学会:医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン.2011.
3)経済産業省:遺伝子検査ビジネス実施事業者の遵守事項.2014.
4)Manolio TA,et al : Finding the missing heritability of complex diseases. Nature 461(7265):747-753, 2009.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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