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文献詳細

雑誌文献

総合診療25巻8号

2015年08月発行

文献概要

特集 健診データで困ったら─こんな検査結果を持ってこられたら 【各論】

1.呼吸機能に異常が見つかったら

著者: 佐藤匡1 瀬山邦明1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂医院 呼吸器内科

ページ範囲:P.729 - P.732

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Case
健康診断の結果,「禁煙」を決意した65歳・男性
患者:65歳,男性.20歳から現在まで,1日約20本の喫煙を続けている.
既往歴:63歳時より高血圧症.
現病歴:半年ほど前から痰が絡むことが多くなり,階段を昇る時やゴルフの時などに軽度の息切れを自覚するようになっていた.会社の健康診断で呼吸機能異常を指摘され,近医を受診した.
 呼吸機能検査の結果は,肺活量4.3l(対標準値107%),1秒量2.3l(対標準値71.5%),1秒率56.2%であった.胸部X線では肺野の過膨張所見など認めなかったが,胸部CTで上葉を中心に気腫性変化が確認された.慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)と診断され,バレニクリン(チャンピックス)による禁煙治療,および気管支拡張薬(吸入抗コリン薬)の吸入が開始された.

参考文献

1)日本呼吸器学会 COPDガイドライン第4版作成委員会(編):COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン 第4版.メディカルレビュー社,2013. <日本呼吸器学会によるCOPDガイドラインの最新版である>
2)Fletcher C, et al : The natural history of chronic airflow obstruction. Br Med J 1(6077): 1645-1648, 1977. <1秒量の経年的変化と喫煙状況の関係を記した古典的な論文である>
3)Cottin V, et al : Combined pulmonary fibrosis and emphysema;a distinct underrecognised entity. Eur Respir J 26(4): 586-593, 2005. <肺気腫と間質性肺炎の合併病態が“CPFE”として注目される端緒となった論文である>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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