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文献詳細

雑誌文献

総合診療25巻8号

2015年08月発行

文献概要

特集 健診データで困ったら─こんな検査結果を持ってこられたら 【各論】

3.腹部エコーに異常所見があったら

著者: 小川眞広12

所属機関: 1日本大学病院 消化器内科 2日本大学病院 超音波室

ページ範囲:P.737 - P.741

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Case
健診の超音波検査で発見された高分化型肝細胞癌の1例
症例:61歳,男性.
家族歴:特記事項なし.
現病歴:これまで勤め先の健診では,γ-GTP(GGT)の軽度上昇の他は,大きな異常は指摘されていなかった.飲酒家でもあり年々増加しているわけでもないので,精密検査は行っていなかった.
 今年,定年後のため人間ドックを受診し,初めて超音波検査を施行したところ,10mmの高エコー腫瘤を指摘され,精査目的で紹介となった.造影CTなどでは明らかな腫瘍濃染像を呈さなかったが,精密検査の結果「C型慢性肝炎」および「肝細胞癌」の診断となる.手術を施行したところ,高分化型の肝細胞癌であった.その後,抗ウイルス療法を施行し,C型肝炎ウイルスも陰性化となり,現在に至っている.

参考文献

1)日本医学放射線学会,他(編):肝海綿状血管腫の画像診断ガイドライン 2007年版.2007. http://www.radiology.jp/content/files/409.pdf
2)日本超音波医学会用語・診断基準委員会,他:肝腫瘤の超音波診断基準.Jpn JMed Ultrasonics 39(3):317-326, 2012. https://www.jsum.or.jp/committee/diagnostic/pdf/39-3.pdf
3)日本人間ドック学会画像検査判定ガイドライン作成委員会,他:腹部超音波健診判定マニュアル.2014. http://www.ningen-dock.jp/wp/common/data/other/inspection/m_ultrasound_exam2.pdf
4)小川眞広:腹部エコーを視て・診る──Bモードから造影モードまで 実践編.永井書店,2003.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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