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特集 健診データで困ったら─こんな検査結果を持ってこられたら 【各論】
3.腹部エコーに異常所見があったら
著者: 小川眞広12
所属機関: 1日本大学病院 消化器内科 2日本大学病院 超音波室
ページ範囲:P.737 - P.741
文献購入ページに移動健診の超音波検査で発見された高分化型肝細胞癌の1例
症例:61歳,男性.
家族歴:特記事項なし.
現病歴:これまで勤め先の健診では,γ-GTP(GGT)の軽度上昇の他は,大きな異常は指摘されていなかった.飲酒家でもあり年々増加しているわけでもないので,精密検査は行っていなかった.
今年,定年後のため人間ドックを受診し,初めて超音波検査を施行したところ,10mmの高エコー腫瘤を指摘され,精査目的で紹介となった.造影CTなどでは明らかな腫瘍濃染像を呈さなかったが,精密検査の結果「C型慢性肝炎」および「肝細胞癌」の診断となる.手術を施行したところ,高分化型の肝細胞癌であった.その後,抗ウイルス療法を施行し,C型肝炎ウイルスも陰性化となり,現在に至っている.
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