icon fsr

文献詳細

雑誌文献

総合診療25巻8号

2015年08月発行

文献概要

特集 健診データで困ったら─こんな検査結果を持ってこられたら 【各論】

5.腫瘍マーカーが高かったら

著者: 末廣寛1 松本俊彦1 山﨑隆弘1

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科 臨床検査・腫瘍学分野

ページ範囲:P.748 - P.751

文献購入ページに移動
Case
CA125一過性異常高値を示した1例
患者:30歳台,女性.
経過:健診でCA125が1,000U/μl以上を示したため,入院のうえ精査となった.生来健康で,特に自覚症状はないとのことであった.悪性腫瘍を疑い,さまざまな検査を行ったが何も異常はなく,原因を突き止めることができなかった.CA125の推移をみるため再検査したところ,基準値内であった.結局,「異常なし」ということで退院となった.
 初回検査時の高値はいったい何だったのだろうと,20数年前の出来事ではあるが,今でも不思議に思う.腫瘍マーカーは1回だけの検査で判定するのではなく,必ず推移を追っていく必要があるものと痛感した症例であった.また,初回検査時の“検体間違い”の可能性も考慮して,検査センターに問い合わせるべきであったと今でも思う.

参考文献

1)中村哲也,他:婦人科疾患におけるCA125値の検討.岡山医学会雑誌 98(9-10):819-826, 1986.
2)Medical Practice編集委員会,他(編):臨床検査ガイド 2015年改訂版.文光堂,2015.
3)日本臨床腫瘍学会(編):新臨床腫瘍学 改訂3版,南江堂,2012.
4)矢冨 裕(編):これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集.medicina 52(4),2015.
5)水口弘司,他:子宮内膜症におけるCA125.産婦人科の実際 45(10):1363-1369,1996.
6)日本肝癌研究会追跡調査委員会:第18回全国原発性肝癌追跡調査報告(2004〜2005).肝臓 51(8):460-484,2010.
7)高久史麿(監):臨床検査データブック2011-2012.医学書院,2011.
8)Catalona WJ, et al : Comparison of prostate specific antigen concentration versus prostate specific antigen density in the early detection of prostate cancer;receiver operating characteristic curves. J Urol 152(6): 2031-2036, 1994.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?