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特集 健診データで困ったら─こんな検査結果を持ってこられたら 【各論】
5.腫瘍マーカーが高かったら
著者: 末廣寛1 松本俊彦1 山﨑隆弘1
所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科 臨床検査・腫瘍学分野
ページ範囲:P.748 - P.751
文献購入ページに移動CA125一過性異常高値を示した1例
患者:30歳台,女性.
経過:健診でCA125が1,000U/μl以上を示したため,入院のうえ精査となった.生来健康で,特に自覚症状はないとのことであった.悪性腫瘍を疑い,さまざまな検査を行ったが何も異常はなく,原因を突き止めることができなかった.CA125の推移をみるため再検査したところ,基準値内であった.結局,「異常なし」ということで退院となった.
初回検査時の高値はいったい何だったのだろうと,20数年前の出来事ではあるが,今でも不思議に思う.腫瘍マーカーは1回だけの検査で判定するのではなく,必ず推移を追っていく必要があるものと痛感した症例であった.また,初回検査時の“検体間違い”の可能性も考慮して,検査センターに問い合わせるべきであったと今でも思う.
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