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雑誌目次

雑誌文献

総合診療26巻1号

2016年01月発行

雑誌目次

特集 妊婦・褥婦が一般外来に来たら─エマージェンシー&コモンプロブレム

今月のQuestion & Keyword Index

ページ範囲:P.9 - P.9

より早く,より的確に内容をとらえるために,QuestionとKeywordによるIndexをご利用ください.
それぞれ各論文の要点を示す質問とキーワードで構成されています.
Question
Q1 1歳児の予防接種に訪れた母親が倦怠感を訴えている.この女性の診療における留意点は? 10
Q2 妊婦に薬剤を投与すべきかどうか判断する基準は? 14
Q3 妊婦の腹痛で産科的緊急・超緊急的疾患の鑑別に重要なポイントは? 19
Q4 妊婦・褥婦の発熱を診る時の注意点は? 23
Q5 妊娠中の女性が頭痛を訴えた時の鑑別疾患と対応は? 26
Q6 分娩時の過多出血の対応は? 30
Q7 妊婦の悪心への対処で留意することは? 35
Q8 妊娠中の不眠症に対する薬物療法について教えてください. 39
Q9 便秘の妊婦に下剤は使用可能か? 46
Q10 慢性疾患を抱える女性が妊娠を希望した時,どのようにサポートすればよいか? 48
Q11 妊婦の家族が感染症に罹患している際,留意することは? 53
Q12 妊娠中に妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を診断された女性で,留意することは? 59

ONE MORE GM

ページ範囲:P.63 - P.64

Q1 産科的緊急・超緊急疾患の鑑別のポイントは?
A1 次の❶〜❺である.
  ❶ABCとバイタルサイン.
 ルート確保,輸液,酸素投与(高濃度),体位変換(原則左側臥位),必要があれば気道確保(Airway)や呼吸管理(Breathing),循環(Circulation).
❷破水や出血の確認.
 出血の有無,量(具体的にコップ1杯とか洗面器半分程度,あるいはシーツ・下着・タオルなどにどの程度付着したか,あるいは漏れ出たかなど),破水(持続的な水様帯下)を聴取,必要があれば会陰部の視診を行い,何か出てきていないか,出てきているとすれば何が見えるか(児頭・あるいは臍帯などの附属物が見えないか,出血や羊水の流出は続いているか)を確認する.
❸腹痛の性状・強さ・間欠的か持続的かを確認する.
 子宮の触診を行い,収縮の有無(硬くなっているか,周期的か持続的か),硬さ(板状硬ではないか),痛みは間欠的か持続的か,圧痛の有無を診察する.
❹胎動の有無の確認.
 必要があれば超音波で胎児心拍の有無,徐脈の有無を確認する(胎児の正常心拍数は110〜160bpm).
❺末梢血と肝酵素・凝固系の採血.

【総論】

総合診療医として押さえておきたい妊娠の一般的経過と出産後の経過

著者: 新井隆成

ページ範囲:P.10 - P.13

 分娩取り扱い医が減少する時代である.総合診療医には妊娠の可能性を考慮した診療,妊産婦のコモンな訴えへの対応,そして妊産婦の緊急的な状態に対するプライマリ・ケアが求められる機会が増えてくるだろう.また産後についても,たとえば家族計画や妊娠糖尿病を罹患した患者の長期的フォローなど,女性や家族の健康に継続的に関わるプライマリ・ケア医の活躍のニーズが今後ますます増してくるものと期待される.女性の妊娠中,産後の経過についての知識を押さえて,これからの診療に役立てていただきたい.

妊娠・授乳と薬,放射線などに関する妊娠時期別の対応

著者: 渡邉央美

ページ範囲:P.14 - P.18

 慢性疾患をもつ女性が妊娠したり,妊娠中に合併症が出現したりすることはよくあることで,その時には薬物療法をどのように行うかが問題となる.
 妊婦に薬剤を投与するかどうかは,治療を行わないことによる母親(および胎児)のリスクと,胎児への薬剤のリスクを比較・考慮して判断することになる.しかし,妊娠中・授乳中の薬剤曝露のリスクについての情報は十分でないため,判断が難しいのが現状である.
 本稿では,妊娠中の薬物療法についての考え方や,治療方針決定の助けになる情報源などについて紹介する.

【妊婦・褥婦のエマージェンシー】

妊婦の急性腹症

著者: 伊藤雄二

ページ範囲:P.19 - P.22

気をつけたい妊婦の腹痛
 妊婦の腹痛には,本人をはじめ妊娠と気づかれない時期の腹痛と,妊娠が明らかとなってからの腹痛がある.前者の代表的な疾患が異所性妊娠(子宮外妊娠)の破裂や流産であるが,本稿では後者の,正常な妊娠としてフォローアップされている妊婦の腹痛,特に妊婦の急性腹症として鑑別すべき疾患1)を中心に述べる.
 妊娠が判明している妊婦は,かかりつけの産科クリニックや病院を受診することが多く,総合診療医が関わることは少ないかもしれない.また妊婦の腹痛は非特異的でかつ検査や治療が限られていること,さらにそもそも妊婦の診察のトレーニングの経験もないか,あっても非常に少ないため,総合診療医もまた妊婦の診察には関わりたくないと考えるのが通常であろう.

妊婦・褥婦の発熱

著者: 髙村一紘

ページ範囲:P.23 - P.25

Case
妊婦のインフルエンザ感染症
患者:34歳,初産,妊娠35週.
既往歴:特記事項なし.
現病歴:一昨日より鼻汁,咳嗽を認め,昨夜から39℃の発熱を認めた.妊娠経過に異常はなく,胎動は良好でおなかのはりはたまに自覚する程度で,性器出血や破水感はなかった.最近インフルエンザが流行し始めており,症状の出る前日にショッピングセンターに外出していた.かかりつけの産科から紹介され,受診した.インフルエンザウイルス抗原検査はA型陽性であった.抗インフルエンザウイルス薬としてオセタミビルリン酸塩と,解熱鎮痛薬としてアセトアミノフェンが投与され,症状は軽快した.

妊婦の頭痛・痙攣発作

著者: 川西智子 ,   平井強 ,   金山尚裕

ページ範囲:P.26 - P.29

妊婦の頭痛
 頭痛は日常診療のなかで訴えの多い症状の1つである.頭痛を訴える妊婦も多く見られ,そのほとんどが片頭痛や緊張型頭痛など,機能性のものである.しかし,なかには産科関連疾患や,脳血管疾患など緊急性を要する病態があり,重症化した場合は母児ともに生命が危ぶまれる状態となる可能性もあるため,疾患を適切に鑑別することが重要である.本稿では,外来で妊婦が頭痛を主訴に来院した際の対応について検討する.

産後出血

著者: 柴田綾子 ,   井上真智子

ページ範囲:P.30 - P.34

Case 1
夜中の緊急コール
 あなたは総合病院の救急当直医である.産婦人科当直医は1人しかいない.
 深夜,産婦人科医から電話がかかってきた.緊急対応の応援を求めている.
患者:32歳,初産婦.
現病歴:特にリスクなく経過順調であった.入院当日昼から陣痛発来し,夕方に入院した.分娩が進行するも,子宮口全開大から微弱陣痛にて分娩に至らないため,吸引分娩を行った.
◦22時30分:女児を出産.
◦22時34分:胎盤が排出された.その際の出血が約480g(羊水含む)であった.
◦22時40分:患者が軽度の寒気・気分不良を訴えたため,看護師がバイタルを測定した.
 血圧102/79mmHg,脈拍数100回/分,呼吸数20回/分,体温37.4℃.助産師が診察したところ,子宮内から血塊が約400g排出された.
◦22時45分:コールを受けた産婦人科医師がクスコ診察したところ,流血が持続していた.
 血圧80/50mmHg,脈拍数120回/分,呼吸数24回/分,体温36.0℃.顔面蒼白を認めたため,応援要請となった.
 ➡さて,どうしたらいいだろうか?

【よくある外来プロブレムとその対応】

妊娠中の悪心・食欲不振

著者: 高多佑佳 ,   吉岡哲也

ページ範囲:P.35 - P.38

 「悪心」は妊婦の最も代表的なcommon problemである.実に50〜80%に悪心・嘔吐が認められるといわれる1).確かに多くの妊婦は,このような症状が出た場合には,まず産科に受診すると思われる.しかしながら,これだけよくあるproblemであるから,状況によっては一般外来を受診することも十分にありうる.特に妊娠がまだ判明していない場合にはよくあり,また救急診療に携わることの多い総合医としては,そのような場で妊娠の有無の検索を含め,妊婦への初期対応を求められることもあるだろう.
 妊婦の悪心・食欲不振にあたっては,妊娠経過のどの段階にあるかを念頭に置きながら対処する必要がある.

妊婦・褥婦の倦怠感・不眠

著者: 榎本小弓 ,   中野朱美 ,   森村美奈

ページ範囲:P.39 - P.44

Case
患者:30代,女性.初診時は初回の自然妊娠6週目.
 以前より,不眠と便秘,胃腸の機能障害に悩まされ,近医内科からベンゾジアゼピン系のフルニトラゼパムと六君子湯を投薬されていた.その後無月経となり,近医産婦人科を受診して子宮内に胎囊が確認され,「妊娠5週相当」と診断されたが,内服中のフルニトラゼパムの休薬に強く抵抗するため,当院での妊娠管理を依頼された.本人の訴えの傾聴から,無理な休薬をせずにフルニトラゼパムを非ベンゾジアゼピン系のゾルビテムに変更し,さらに精神科コンサルトを行った.その結果ゾルビデムを継続することにした.しばらくの間不眠は軽快し,精神状態も安定した状態で妊娠経過も良好であった.しかし,妊娠中期以降に循環血漿量の増加に伴い不眠が再燃,重症化し,フルニトラゼパムに戻した.以後,安定した精神状態で分娩までもちこたえた.

妊婦・褥婦と便秘・肛門疾患

著者: 加藤一朗

ページ範囲:P.46 - P.47

Case
3日間便が出ないために受診した妊婦
患者:30代,妊娠32週.既往なし.
現病歴:3日間便が出ず,産婦人科での妊婦健診は来週で遠方でもあったため,近くの内科を受診した.これまでの妊婦健診では異常を指摘されず,食物繊維を積極的に摂るなど,食生活や腸の動きをよくするために散歩もするなど注意していたが,便が硬く出にくいとのことだった.妊娠中は便秘になりやすいこと,引き続き食生活・運動などに注意するよう説明し,塩類下剤を処方した.

妊婦・褥婦の慢性疾患管理

著者: 橋本就子 ,   荒田尚子

ページ範囲:P.48 - P.52

Case
産後に発症した“疲れやすさ”
患者:33歳,女性.4カ月前に2,900gの健康な男児を出産,生来健康.
主訴:疲れやすい.
現病歴:1カ月前から疲れやすくなり,外出が億劫になった.1週間前,入浴後に立ち上がれないほどの疲れと胸苦しさがあり,救急病院を受診したところ,脈拍数160回/分の頻脈を指摘された.採血やX線では異常がみられず,自宅で安静にするよう指示されたが,授乳以外は起き上がることもできず, 心配した家人に連れられて当院を受診した.
 診察では,脈拍数110回/分・整,手指の姿勢時振戦と軽度甲状腺腫大を認めた.血液検査ではFT4およびFT3の著明高値と,TSH(thyroid stimulating hormone)レセプター抗体陽性だった.産後に発症したBasedow病と診断し,チアマゾールと無機ヨウ素の内服を開始した.1週間後には甲状腺ホルモンが低下し始め,2カ月後にはFT4が正常化した.自覚症状は,ホルモン数値の改善とともに消失した.

家族の感染症罹患とその予防

著者: 松田真和 ,   岡崎友里 ,   鳴本敬一郎 ,   杉村基

ページ範囲:P.53 - P.58

Case
患者:妊娠34週の妊婦.
 帯状疱疹に罹患した祖父と同居しているため,胎児への問題はないかと心配して来院.帯状疱疹の妊婦への感染は稀であることを説明し,水痘罹患歴やワクチン接種歴が曖昧であったため,患者の希望もあり水痘IgG抗体検査を施行した.IgG抗体が陽性であることを確認したが,今後も祖父の皮疹が痂皮化するまでは触れないよう指導し,胎児の状態を注意深くフォローアップしていくこととした.以後経過は順調で,39週0日に正常経腟分娩で3,200gの男児を出産された.児は出生後問題なく成長している.

【スペシャル・アーティクル】

妊婦・褥婦をめぐる最近の傾向—高年妊娠・出産,出生前診断

著者: 中西美紗緒 ,   矢野哲

ページ範囲:P.59 - P.62

 近年,わが国では社会環境やライフスタイルの変化に伴い,個人のライフコースは多様化し,さまざまな選択ができるにようになった.一方で妊娠・出産については,医学的に男性・女性ともに適した年齢があるといわれている.特に30代半ば頃から,胎児の染色体異常や流産率は上昇し,母児に伴うさまざまな周産期リスクは高くなる.
 近年の晩婚化・晩産化は,出生率の低下と高齢不妊症患者の増加をもたらした.2013年には,無侵襲的出生前遺伝学的検査として「母体血を用いた胎児由来遺伝子の解析」が導入され,出生前診断や遺伝カウンセリングが改めて注目されている.時代の流れに伴い,高年妊娠や生殖補助医療による妊娠・出産の割合は明らかに増加しており,ハイリスク妊娠・分娩として細心の注意を払い,適切な周産期管理を行う必要がある.
 本稿では,妊婦・褥婦をめぐる最近の傾向として,高年妊娠・出産と出生前診断について概説する.

Editorial

空のもう半分のために

著者: 松村真司

ページ範囲:P.1 - P.1

 1980年12月8日,彼は家族と暮らすニューヨーク,ダコタ・ハウスの前でファンを装って近づいてきた男に背後から銃で撃たれ命を落とした.享年40歳.5年間の隠遁生活を経て久しぶりのニュー・アルバムを発表した直後の彼の突然の訃報は,瞬く間に世界を駆け巡った.そしてその2カ月後.アルバム・カットされたこの曲は,ソロ・アーティストになって初の全英1位,全米2位をはじめ,世界中で大ヒットした.それまで関係が不安定だった彼の妻に向け,わずか15分で書かれたという本曲について,彼自身は生前「すべての女性に向けて書かれたものだ」と語っていた.2歳年上の姉の影響で洋楽を聴き始めた当時の私はカセット・テープに録音したこの曲を,その背後にあるそんな深い意味もわからず,文字通りすり切れるまで聞いたものである.

What's your diagnosis?[157]

ステファニーの角は1つ

著者: 岡田祐美子 ,   山室亮介 ,   渡邉剛史 ,   宮川慶 ,   末松篤樹 ,   久田敦史 ,   吉見祐輔 ,   横江正道 ,   野口善令

ページ範囲:P.4 - P.7

症例
患者:58歳,男性.
主訴:全身が痛い(図1).
現病歴:4カ月前から両足の伸ばしづらさ,下腿の張った感じを自覚.2カ月前より体動時に体全体の疼痛が出現するようになり,早朝に強いこわばりも感じるようになった.1カ月前より味覚異常が出現し,食べ物の臭いで嘔気・嘔吐するようになった.全身の疼痛が増悪傾向となったため,当院紹介受診となった.
職業:工場勤務.
ADL:自立.
嗜好品:喫煙;10本/日を20歳〜現在.アルコール;機会飲酒.
既往歴:特記事項なし. 内服薬:特記事項なし.
趣味:家庭菜園.

New Books

『Dr.宮城×Dr.藤田 エキスパートに学ぶ 呼吸器診療のアートとサイエンス』—宮城 征四郎,藤田 次郎(著)

著者: 石田直

ページ範囲:P.44 - P.44

 臨床医学は,知識や文献的考察に基づくサイエンスの部分と,経験によるひらめき等のアートの部分を有しているが,両者をバランスよく融合した成書を見つけることは,なかなか困難である.そうしたなかで,本書に巡り合ったことは大変喜ばしいことであった.本書は,本邦における呼吸器病学の泰斗でおられる宮城征四郎先生と,現在の呼吸器内科のリーダーのお一人である琉球大学の藤田次郎教授が中心となって開催されている,沖縄県臨床呼吸器同好会での症例検討会の内容をまとめたものである.ここでは,個々の症例が詳細に検討され,目の前で見ているような臨場感が醸し出されている.問診および身体所見を十分に吟味して鑑別を行っていくという宮城先生のスタイルが広く浸透してレベルの高いカンファレンスとなっており,ややもすれば検査所見と画像所見に引っ張られがちな自らの臨床姿勢を反省させられる.
 症例検討における,宮城先生の的確なご発言はまさしく「天の声」であり,それぞれの症例に,藤田教授の卓越した解説と考察が付記されている.また,巻頭にある,宮城先生の「症例検討会におけるプレゼンテーションの順序と参加者の心得」(p1)および藤田教授の「呼吸器疾患における画像所見の解釈の仕方」(p11)の章は,もう一度基本的な理解を促すものであり,研修医からベテランのドクターまで,ぜひ一読していただきたい内容となっている.症例はいずれも,呼吸器内科医が日常的に遭遇する可能性のある疾患でありながら,大変興味深い検討対象である.

みるトレ

Case 96

著者: 佐田竜一

ページ範囲:P.65 - P.66

Case 96
患者:81歳,男性.
主訴:発熱,咳,痰,呼吸苦.
生活歴:もともとADLは自立.喫煙20本/日×50年.飲酒なし.
既往歴:10年前からCOPD(慢性閉塞性肺疾患)で内科かかりつけ.急性増悪にて2回入院歴あり.
 3カ月前にS状結腸の穿孔性憩室炎にて入院歴あり(保存的治療で軽快).
内服歴:アムロジピン,プレドニゾロン3mg,モンテルカスト10mg,シロドシン8mg,カルシトリオール0.25μg,ランソプラゾール15mg,ベサフィブラート400mg,LABA(長時間作用性β2刺激薬)+ステロイド吸入,チオトロピウム吸入中.
現病歴:外科で入院後から食思不振はあったが,なんとか自宅生活できてきた.10日前から咳・痰が増加し,9日前に近医を受診し,クラリスロマイシンを処方された.しかし症状は軽快せず,7日前から断続的に発熱するようになり,入院当日は動くだけで息切れが強くなったため受診.
身体所見:体温38℃,血圧122/75mmHg,呼吸数20回/分,脈拍数105回/分,SpO2 92%(室内気).
 short trachea(気管短縮)あり,呼気延長あり,陥没呼吸あり,両側肺野でwheeze聴取.
検査所見:WBC 12,400/μl,Hb 15.4g/dl,Plt 26.2万/μl,CRP 12.29mg/dl,BUN 25mg/dl,Cr 1.25mg/dl.喀痰グラム染色(図1).

Dr.加藤の これで解決!眼科Q&A相談室・4

緑内障のスクリーニングはどうしたらいい?

著者: 加藤浩晃

ページ範囲:P.68 - P.69

今月のQuestion
眼圧測定が困難な場合,緑内障はプライマリ・ケア診療で,どのようにスクリーニングしていけば良いのでしょうか? 視力低下の有無や眼底鏡での診察で疑っていくのが良いのでしょうか?

血液内科学が得意科目になるシリーズ・22

血液疾患→免疫不全→感染症!

著者: 萩原將太郎

ページ範囲:P.70 - P.73

 ヒトの免疫機能は,「液性免疫」と「細胞性免疫」の2つに大別され,どちらも血液細胞が重要な役割を担っています.血液疾患では,血球の量的あるいは質的な異常により,免疫機能も異常をきたすことが知られています.今回は,血液疾患と感染症の関係について考えてみます.

臨床の勘と画像診断力を鍛える コレクション呼吸器疾患[45]

発熱,右側胸部痛を認め,呼吸不全に至った1例

著者: 藤田次郎 ,   宮城征四郎

ページ範囲:P.74 - P.82

本連載では,沖縄県臨床呼吸器同好会の症例検討会をもとに,実況中継形式で読者のみなさんに呼吸器内科疾患を診る際のポイントとアプローチ方法を伝授したいと思います.宮城征四郎先生の豊富な臨床経験に基づいたコメントに注目しながら読み進めてください.画像診断のポイントと文献学的考察も押さえています.
それでは早速始めましょう! 今月のテーマは,発熱,右側胸部痛を認め,呼吸不全に至った74歳男性に対するアプローチです.

Dr.徳田と学ぶ 病歴と診察によるエビデンス内科診断・17

低アルブミン血症—低栄養か?

著者: 徳田安春

ページ範囲:P.84 - P.87

徳田:みなさん,こんにちは.この連載では「臨床疫学」を用いた診断ロジックを学びます.症例に基づきながら,レジデントのみなさんとの対話形式で進めていきます.
 今回のケースは,「低栄養」の疑いの患者さんです.高齢社会となり,低栄養の患者さんも増えています.低栄養は,さまざまな予後不良因子です.また,栄養サポートチーム(NST)による介入効果が期待できることもありますので,その診断は重要です.
 では,今回の症例をみてみましょう.

Update`16

第38回米国総合内科学会(Society of General Internal Medicine : SGIM)参加記

著者: 石川大平

ページ範囲:P.88 - P.89

 私は2015年4月22〜25日,カナダのトロントで開催された第38回米国総合内科学会(Society of General Internal Medicine:SGIM)の年次総会に参加し,ポスターセッションでの症例報告を行いました.
 SGIMは,アメリカ・カナダを中心とする内科医約3,000名で構成される国際学会です.年次総会は今年で38回を迎え,北米を中心に世界各国から参加者が集います.

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バックナンバー

ページ範囲:P.90 - P.90

次号予告

ページ範囲:P.92 - P.92

基本情報

総合診療

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 2188-806X

印刷版ISSN 2188-8051

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33巻12号(2023年12月発行)

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33巻11号(2023年11月発行)

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33巻6号(2023年6月発行)

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30巻10号(2020年10月発行)

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30巻9号(2020年9月発行)

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30巻5号(2020年5月発行)

特集 誌上Journal Club—私を変えた激アツ論文

30巻4号(2020年4月発行)

特集 大便強ドリル—便秘・下痢・腹痛・消化器疾患に強くなる41問!

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特集 小児診療“苦手”克服!!—劇的Before & After

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特集 今そこにある、ファミリー・バイオレンス|Violence and Health

27巻10号(2017年10月発行)

特集 めまいがするんです!─特別付録Web動画付

27巻9号(2017年9月発行)

特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい

27巻8号(2017年8月発行)

特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する!

27巻7号(2017年7月発行)

特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 3 カリスマ編

27巻6号(2017年6月発行)

特集 「地域を診る医者」最強の養成法!

27巻5号(2017年5月発行)

特集 コミュニケーションを処方する—ユマニチュードもオープンダイアローグも入ってます!

27巻4号(2017年4月発行)

特集 病歴と診察で診断できない発熱!—その謎の賢い解き方を伝授します。

27巻3号(2017年3月発行)

特集 これがホントに必要な薬40—総合診療医の外来自家薬籠

27巻2号(2017年2月発行)

特集 The総合診療ベーシックス—白熱!「総合診療フェスin OKINAWA」ライブ・レクチャー! 一挙公開 フィジカル動画付!

27巻1号(2017年1月発行)

特集 総合診療の“夜明け”—キーマンが語り尽くした「来し方、行く末」

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