icon fsr

文献詳細

雑誌文献

総合診療26巻1号

2016年01月発行

文献概要

特集 妊婦・褥婦が一般外来に来たら─エマージェンシー&コモンプロブレム 【妊婦・褥婦のエマージェンシー】

産後出血

著者: 柴田綾子1 井上真智子2

所属機関: 1淀川キリスト教病院 産婦人科 2浜松医科大学 地域家庭医療学講座・静岡家庭医養成プログラム

ページ範囲:P.30 - P.34

文献購入ページに移動
Case 1
夜中の緊急コール
 あなたは総合病院の救急当直医である.産婦人科当直医は1人しかいない.
 深夜,産婦人科医から電話がかかってきた.緊急対応の応援を求めている.
患者:32歳,初産婦.
現病歴:特にリスクなく経過順調であった.入院当日昼から陣痛発来し,夕方に入院した.分娩が進行するも,子宮口全開大から微弱陣痛にて分娩に至らないため,吸引分娩を行った.
◦22時30分:女児を出産.
◦22時34分:胎盤が排出された.その際の出血が約480g(羊水含む)であった.
◦22時40分:患者が軽度の寒気・気分不良を訴えたため,看護師がバイタルを測定した.
 血圧102/79mmHg,脈拍数100回/分,呼吸数20回/分,体温37.4℃.助産師が診察したところ,子宮内から血塊が約400g排出された.
◦22時45分:コールを受けた産婦人科医師がクスコ診察したところ,流血が持続していた.
 血圧80/50mmHg,脈拍数120回/分,呼吸数24回/分,体温36.0℃.顔面蒼白を認めたため,応援要請となった.
 ➡さて,どうしたらいいだろうか?

参考文献

1)Anderson JM, et al : Prevention and management of postpartum hemorrhage. Am Fam Physician 75(6): 875-882, 2007. http://www.aafp.org/afp/2007/0315/p875.html <米国家庭医療学会の論文.過多出血に対する推奨処置の他にも,胎盤の娩出の仕方,双手圧迫,子宮内反の徒手整復術がイラストで記載されている>
2)日本産婦人科学会:産婦人科ガイドライン 2014,2014. http://www.jsog.or.jp/activity/guideline.html <産科編と婦人科外来編がある.無料でダウンロード可能>
3)日本産科婦人科学会,他:産科危機的出血への対応ガイドライン.2014. http://www.jspnm.com/topics/data/topics100414.pdf <日本産婦人科学会/周産期・新生児学会/麻酔科学会/輸血・細胞治療学会が合同で作成.フローチャートがありわかりやすい>
, Accessed 2015/08/22). <過多出血や大量輸血のアルゴリズムや,子宮復古不全や胎盤遺残のエコー写真がある>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?