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『Dr.宮城×Dr.藤田 エキスパートに学ぶ 呼吸器診療のアートとサイエンス』—宮城 征四郎,藤田 次郎(著)
著者: 石田直1
所属機関: 1倉敷中央病院呼吸器内科
ページ範囲:P.44 - P.44
文献購入ページに移動 臨床医学は,知識や文献的考察に基づくサイエンスの部分と,経験によるひらめき等のアートの部分を有しているが,両者をバランスよく融合した成書を見つけることは,なかなか困難である.そうしたなかで,本書に巡り合ったことは大変喜ばしいことであった.本書は,本邦における呼吸器病学の泰斗でおられる宮城征四郎先生と,現在の呼吸器内科のリーダーのお一人である琉球大学の藤田次郎教授が中心となって開催されている,沖縄県臨床呼吸器同好会での症例検討会の内容をまとめたものである.ここでは,個々の症例が詳細に検討され,目の前で見ているような臨場感が醸し出されている.問診および身体所見を十分に吟味して鑑別を行っていくという宮城先生のスタイルが広く浸透してレベルの高いカンファレンスとなっており,ややもすれば検査所見と画像所見に引っ張られがちな自らの臨床姿勢を反省させられる.
症例検討における,宮城先生の的確なご発言はまさしく「天の声」であり,それぞれの症例に,藤田教授の卓越した解説と考察が付記されている.また,巻頭にある,宮城先生の「症例検討会におけるプレゼンテーションの順序と参加者の心得」(p1)および藤田教授の「呼吸器疾患における画像所見の解釈の仕方」(p11)の章は,もう一度基本的な理解を促すものであり,研修医からベテランのドクターまで,ぜひ一読していただきたい内容となっている.症例はいずれも,呼吸器内科医が日常的に遭遇する可能性のある疾患でありながら,大変興味深い検討対象である.
症例検討における,宮城先生の的確なご発言はまさしく「天の声」であり,それぞれの症例に,藤田教授の卓越した解説と考察が付記されている.また,巻頭にある,宮城先生の「症例検討会におけるプレゼンテーションの順序と参加者の心得」(p1)および藤田教授の「呼吸器疾患における画像所見の解釈の仕方」(p11)の章は,もう一度基本的な理解を促すものであり,研修医からベテランのドクターまで,ぜひ一読していただきたい内容となっている.症例はいずれも,呼吸器内科医が日常的に遭遇する可能性のある疾患でありながら,大変興味深い検討対象である.
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