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文献詳細

雑誌文献

総合診療26巻1号

2016年01月発行

文献概要

みるトレ

Case 96

著者: 佐田竜一1

所属機関: 1亀田総合病院総合内科・内科合同プログラム

ページ範囲:P.65 - P.66

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Case 96
患者:81歳,男性.
主訴:発熱,咳,痰,呼吸苦.
生活歴:もともとADLは自立.喫煙20本/日×50年.飲酒なし.
既往歴:10年前からCOPD(慢性閉塞性肺疾患)で内科かかりつけ.急性増悪にて2回入院歴あり.
 3カ月前にS状結腸の穿孔性憩室炎にて入院歴あり(保存的治療で軽快).
内服歴:アムロジピン,プレドニゾロン3mg,モンテルカスト10mg,シロドシン8mg,カルシトリオール0.25μg,ランソプラゾール15mg,ベサフィブラート400mg,LABA(長時間作用性β2刺激薬)+ステロイド吸入,チオトロピウム吸入中.
現病歴:外科で入院後から食思不振はあったが,なんとか自宅生活できてきた.10日前から咳・痰が増加し,9日前に近医を受診し,クラリスロマイシンを処方された.しかし症状は軽快せず,7日前から断続的に発熱するようになり,入院当日は動くだけで息切れが強くなったため受診.
身体所見:体温38℃,血圧122/75mmHg,呼吸数20回/分,脈拍数105回/分,SpO2 92%(室内気).
 short trachea(気管短縮)あり,呼気延長あり,陥没呼吸あり,両側肺野でwheeze聴取.
検査所見:WBC 12,400/μl,Hb 15.4g/dl,Plt 26.2万/μl,CRP 12.29mg/dl,BUN 25mg/dl,Cr 1.25mg/dl.喀痰グラム染色(図1).

参考文献

1)Díez-Aguilar M, et al:Non-diphtheriae Corynebacterium species;an emerging respiratory pathogen. Eur J Clin Microbiol Infect Dis 32(6): 769-772, 2013.
2)本村和嗣,他:Corynebacterium propinquum呼吸器感染症の3症例.感染症学雑誌 78(3): 277-282,2004.
3)Otsuka Y, et al:Emergence of multidrug-resistant Corynebacterium striatum as a nosocomial pathogen in long-term hospitalized patients with underlying diseases. Diagn Microbiol Infect Dis 54(2): 109-114, 2006.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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