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文献詳細

雑誌文献

総合診療26巻10号

2016年10月発行

文献概要

What's your diagnosis?[166]

似非病棟総合医が不意に遭遇した入院依頼

著者: 山田豊1 井上賀元1 田中憲明2

所属機関: 1京都民医連中央病院感染症科・救急総合内科 2京都民医連中央病院消化器内科

ページ範囲:P.810 - P.813

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病歴
患者:71歳,女性.
主訴:四肢の痛み.
現病歴:X-13日に卓球の試合をして数時間後から四肢の痛みが出現した.運動の影響と思い安静にしていたが,症状が持続し,接骨院を受診したが改善を認めなかった.X-8日,食思不振も出現したため,当院門前診療所を受診.血液検査では炎症反応の上昇(WBC 10,000/μl,CRP 3.70mg/dl)を指摘されたが,芍薬甘草湯を処方され,経過観察となった.
 X-3日,疼痛が増強し当院救急外来を受診したが,特に検査は実施されず,手もちの湿布で経過観察となった.X-1日,疼痛持続.上肢挙上が困難となり,門前診療所再受診.炎症反応高値(WBC 11,900/μl,CRP 8.84mg/dl,ESR 57mm/時)が続き,当院へ精査入院依頼.X日に入院となった.
既往歴:高血圧,脂質異常症,両下肢静脈瘤治療後.
常用薬:バルサルタン80mg,アムロジピン5mg,アトルバスタチン5mg,ランソプラゾール15mg,ソリフェナシン5mg,ミルナシプラン50mg,フルタゾラム8mg,スルピリド50mg,ロキソプロフェン湿布.サプリメント摂取なし.
社会歴:喫煙・飲酒歴なし.67歳までクリーニング業.自宅は木造築10年.渡航歴なし.アウトドア活動なし.ペットおよび他の動物曝露なし.
Review of Systems:
(+):膝痛,肩痛,腰痛,両手腫脹,両足〜下腿腫脹.
(−):発熱,リンパ節腫脹,頭痛,眼痛,視力低下,複視,耳鳴,鼻漏,咳,痰,胸痛,嚥下困難,腹痛,嘔気,下痢.

参考文献

1)Pinal-Fernandez I, et al : Diagnosis and classification of eosinophilic fasciitis. Autoimmun Rev 13(4-5) : 379-382, 2014. <好酸球性筋膜炎の診断基準を提案している>
2)Shulman LE : Diffuse fasciitis with eosinophilia ; a new syndrome? Trans Assoc Am Physicians 88 : 70-86, 1975. <好酸球性筋膜炎を最初に報告した文献>
3)Lebeaux D, et al : Eosinophilic fasciitis(Shulman disease). Best Pract Res Clin Rheumatol 26(4) : 449-458, 2012. <比較的新しいレビュー.臨床的特徴などをわかりやすくまとめてある>
4)Lebeaux D, et al : Eosinophilic fasciitis(Shulman disease) ; new insights into the therapeutic management from a series of 34 patients. Rheumatology (Oxford) 51(3) : 557-561, 2012. <文献3と同じ著者である.治療法についての数少ないケースシリーズ>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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