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特集 これでパッチリ! 眼の健康問題 【症状別トリアージ】
「まぶたが赤く腫れました」「目の周りがただれています」
著者: 高村悦子1
所属機関: 1東京女子医科大学医学部 眼科
ページ範囲:P.1001 - P.1003
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点眼薬による「接触皮膚炎」が疑われた一例
患者:30歳,女性.
主訴:両眼充血,眼脂,眼周囲のかゆみ.
現病歴:近医で「アレルギー性結膜炎」と診断され,抗アレルギー点眼薬が処方された.2週間使用したが症状が改善しないため,ステロイド点眼薬および抗菌点眼薬が追加された.その後,結膜炎は改善したものの,眼瞼の腫れ,かゆみを伴うようになったため紹介受診した.
両眼の上下まぶたに発赤・腫脹・皮疹を認め,結膜にも軽度充血がみられた.点眼薬による「接触皮膚炎」を疑い,点眼をすべて中止し,皮膚科を紹介した.
皮膚科で接触皮膚炎の臨床診断のもとパッチテストが行われ,使用していた「抗アレルギー点眼薬」(p.988)が原因であることが判明した.ステロイド外用薬の塗擦,抗ヒスタミン薬の内服により,皮膚所見は治癒した.
点眼薬による「接触皮膚炎」が疑われた一例
患者:30歳,女性.
主訴:両眼充血,眼脂,眼周囲のかゆみ.
現病歴:近医で「アレルギー性結膜炎」と診断され,抗アレルギー点眼薬が処方された.2週間使用したが症状が改善しないため,ステロイド点眼薬および抗菌点眼薬が追加された.その後,結膜炎は改善したものの,眼瞼の腫れ,かゆみを伴うようになったため紹介受診した.
両眼の上下まぶたに発赤・腫脹・皮疹を認め,結膜にも軽度充血がみられた.点眼薬による「接触皮膚炎」を疑い,点眼をすべて中止し,皮膚科を紹介した.
皮膚科で接触皮膚炎の臨床診断のもとパッチテストが行われ,使用していた「抗アレルギー点眼薬」(p.988)が原因であることが判明した.ステロイド外用薬の塗擦,抗ヒスタミン薬の内服により,皮膚所見は治癒した.
参考文献
1)佐々木香る:眼瞼疾患の鑑別.薄井紀夫,他(編):眼感染症診療マニュアル(眼科臨床エキスパート).pp.31-42, 医学書院,2014. <図とシェーマを用いて,鑑別診断のポイントがわかりやすく書かれている>
2)横関博雄:アレルギー性接触皮膚炎.免疫症候群(第2版)Ⅱ.別冊日本臨牀 新領域別症候群シリーズ 35:118-122, 2016. <接触皮膚炎の定義から病態,診断,鑑別診断,治療まで,簡潔に記載されている>
3)日本皮膚科学会接触皮膚炎診療ガイドライン委員会:接触皮膚炎診療ガイドライン.日皮会誌 119(9):1757-1793, 2009. <現在の皮膚科のスタンダードであり,診断,治療法が参考になる>
4)横関博雄:スギ花粉の経皮感作による皮膚炎の病態と治療.皮膚の科学 14(supple. 23):s25-28, 2015. <スギ花粉皮膚炎の臨床的特徴,発症機序,治療法,予防法,鑑別など,臨床に役立つ内容が網羅されている>
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