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文献詳細

雑誌文献

総合診療26巻12号

2016年12月発行

文献概要

特集 これでパッチリ! 眼の健康問題 【症状別トリアージ】

「まぶたが赤く腫れました」「目の周りがただれています」

著者: 高村悦子1

所属機関: 1東京女子医科大学医学部 眼科

ページ範囲:P.1001 - P.1003

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Case
点眼薬による「接触皮膚炎」が疑われた一例
患者:30歳,女性.
主訴:両眼充血,眼脂,眼周囲のかゆみ.
現病歴:近医で「アレルギー性結膜炎」と診断され,抗アレルギー点眼薬が処方された.2週間使用したが症状が改善しないため,ステロイド点眼薬および抗菌点眼薬が追加された.その後,結膜炎は改善したものの,眼瞼の腫れ,かゆみを伴うようになったため紹介受診した.
 両眼の上下まぶたに発赤・腫脹・皮疹を認め,結膜にも軽度充血がみられた.点眼薬による「接触皮膚炎」を疑い,点眼をすべて中止し,皮膚科を紹介した.
 皮膚科で接触皮膚炎の臨床診断のもとパッチテストが行われ,使用していた「抗アレルギー点眼薬」(p.988)が原因であることが判明した.ステロイド外用薬の塗擦,抗ヒスタミン薬の内服により,皮膚所見は治癒した.

参考文献

1)佐々木香る:眼瞼疾患の鑑別.薄井紀夫,他(編):眼感染症診療マニュアル(眼科臨床エキスパート).pp.31-42, 医学書院,2014. <図とシェーマを用いて,鑑別診断のポイントがわかりやすく書かれている>
2)横関博雄:アレルギー性接触皮膚炎.免疫症候群(第2版)Ⅱ.別冊日本臨牀 新領域別症候群シリーズ 35:118-122, 2016. <接触皮膚炎の定義から病態,診断,鑑別診断,治療まで,簡潔に記載されている>
3)日本皮膚科学会接触皮膚炎診療ガイドライン委員会:接触皮膚炎診療ガイドライン.日皮会誌 119(9):1757-1793, 2009. <現在の皮膚科のスタンダードであり,診断,治療法が参考になる>
4)横関博雄:スギ花粉の経皮感作による皮膚炎の病態と治療.皮膚の科学 14(supple. 23):s25-28, 2015. <スギ花粉皮膚炎の臨床的特徴,発症機序,治療法,予防法,鑑別など,臨床に役立つ内容が網羅されている>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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