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文献詳細

雑誌文献

総合診療26巻2号

2016年02月発行

文献概要

What's your diagnosis?[158]

Piiiくんは診断にこだわる

著者: 片山加奈子1 生方綾史1 川島篤志1

所属機関: 1市立福知山市民病院 総合内科

ページ範囲:P.102 - P.105

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病歴
患者:71歳,男性.
現病歴:来院4日前にベッドから起き上がろうとしたところ,四肢・腰に力が入らないうえに筋肉痛がひどく,40分ほどかけて汗びっしょりになりながらようやく座ることができた.その後,全身の筋肉痛が持続し,食欲低下や全身倦怠感も出現したため,当院救急室を受診された.
 ペットを含む動物との接触歴はなく,山や川への出入りもなし.最近の海外渡航歴や性交渉なし.3日に1回行くほどの温泉好き.土いじりは3年前まではあったが,最近はなし.
review of system(ROS):四肢脱力や筋肉痛に加え,同時期より食欲低下や体重減少あり.自覚はないが発熱もあり.意識障害や意識変容,頭痛なし.悪寒戦慄なし.咳嗽・喀痰・呼吸困難感などの気道症状なし.胸痛,咽頭痛,鼻汁もなし.腹痛・便秘・下痢・嘔気・嘔吐などの腹部症状なし.関節痛,皮疹なし.
既往歴:慢性閉塞性肺疾患,2型糖尿病,脂質異常症.
内服歴:グリメピリド1mg分1,ピタバスタチン1mg分1,ビタミンB1・B6・B12 3錠分3.
生活歴:喫煙;15本/日×30数年.アルコール; ビール350ml×2缶+日本酒3合/日.
アレルギー歴:食物なし,薬剤なし.

参考文献

1)Edelstein PH : Legionella. Mandell GL : Principles and Practice of Infectious Diseases, 6th ed. pp2711-2724, Elsevir, 2005. <Mandellによるレジオネラ肺炎の概説>
2)Gupta SK, et al : Evaluation of the Winthrop-University Hospital criteria to identify Legionella pneumonia.Chest 120 : 1064-1071, 2001. <レジオネラ肺炎の臨床診断スコア>
3)Cunha BA : Hypophosphatemia ; diagnostic significance in Legionnaires'disease. Am J Med 119 : e5-6, 2006. <市中肺炎での早期の低P血症を見たら,原因が特定されるまでレジオネラ肺炎を示唆するとの報告>
4)西村加奈子,他:レジオネラ肺炎における早期の血清P値測定の有用性──Winthrop-University Hospital(WUH)criteriaの検証.医学生・研修医の日本内科学会ことはじめ,2015. <当院の自験例での報告>
5)Blázquez Garrido, et al : Antimicrobial chemotherapy for Legionnaires'disease ; levofloxacin versus macrolides. Clin Infect Dis 40(6) : 800-806, 2005. <レボフロキサシンとマクロライドの比較>
6)Sabrià M, et al : Fluroroquinolones vs macrolodes in the treatment of Legionnaires'disease. Chest 128(3): 1401-1405, 2005. <レボフロキサシンとマクロライドの比較>
7)藤田次郎(編):肺炎の画像診断と最新の治療.医療ジャーナル社,2008. <肺炎の画像所見について理解が深まる文献>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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