文献詳細
文献概要
特集 フィジカル改革宣言! ──診断からフォローアップまで 【部位別極意!何を意識して診ているか?】
—胸部—死ぬまで稽古,死んでも稽古
著者: 亀井三博1
所属機関: 1亀井内科・呼吸器科
ページ範囲:P.117 - P.121
文献購入ページに移動 今,手元には,これまで使ってきた幾多の聴診器が並んでいる.妻にあきれられても,買い集めた聴診器たちには愛着がある.なぜなら,それは医学部に入り初めて聴診器を手にした時からずっと傍らにあり手にしない日は1日もない,医師としての歩みの伴侶であったからである.生涯愛した人は妻だけであるが,聴診器は何度も浮気し,よりよく聴こえる道具を探し求めてきた.そして手元に残ったのは,かのラパポート・スプラーグ聴診器である(写真1).
筆者は,身体診察の名人でも何でもない.ただひたすらに患者さんと向き合い,毎日診察してきた.そんな日々のなかからつかんだ,名人でないからこそお伝えできる「胸部聴診」に対するさまざまな思いに,しばしお付き合いいただければ幸いである.
筆者は,身体診察の名人でも何でもない.ただひたすらに患者さんと向き合い,毎日診察してきた.そんな日々のなかからつかんだ,名人でないからこそお伝えできる「胸部聴診」に対するさまざまな思いに,しばしお付き合いいただければ幸いである.
参考文献
1)伊賀幹二:循環器診療スキルアップ.シービーアール,2004. <到達目標を明確にし,循環器診療を解説.プライマリ・ケア医・研修医必携の名著>
2)McGee S : Evidence-based physical diagnosis, 3rd edition, Saunders, 2012. <初めて身体所見のエビデンスを網羅的に示した画期的な書.しかし,それが逆に由緒ある身体所見の有用性を低く見積もる風潮も生んでいる>
3)竹本住大夫:人間やっぱり情でんなぁ.文藝春秋,2014. <“文楽の鬼”と言われた住大夫師匠の語りを聞き書きした書.道を究めようとする者の生き様,そして稽古を通じてほとばしる教育への熱意は,身体所見を極める道に通ずる>
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