文献詳細
文献概要
特集 フィジカル改革宣言! ──診断からフォローアップまで 【部位別極意!何を意識して診ているか?】
—腹部—研修医に「うまい」と言わせる“小さな一歩”の踏み出し方
著者: 山中克郎1
所属機関: 1諏訪中央病院 内科総合診療部
ページ範囲:P.123 - P.127
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腹部診察により感染症のフォーカスが明らかになった一例
患者:82歳,男性.認知症はあるが,杖を使って散歩もできる元気な高齢者.
現病歴:昨日昼から,38℃台の発熱がある.今朝から,食欲が落ちている.元気がないので心配になり,家族が救急室に連れてきた.痛みの訴えはない.咳なし.下痢なし.
既往歴:糖尿病と高血圧のため,自宅近くの診療所に通院中.糖尿病のコントロールは良好.
バイタルサイン:体温38.6℃,血圧112/62mmHg,脈拍数92回/分,呼吸数20回/分.
身体所見:頭頸部に異常所見なし.心雑音なし.呼吸音清.腹部は軟で圧痛なし.皮膚に発赤なし.右季肋部に当てた左手の上から右の手拳で叩打すると,痛そうに表情が変化した.
検査所見:腹部エコーで検査すると腫大した胆囊と胆囊壁の肥厚,胆泥貯留が見つかった.血液培養は陰性.
診断と治療:急性胆囊炎.抗菌薬投与により症状は改善し,退院となった.
腹部診察により感染症のフォーカスが明らかになった一例
患者:82歳,男性.認知症はあるが,杖を使って散歩もできる元気な高齢者.
現病歴:昨日昼から,38℃台の発熱がある.今朝から,食欲が落ちている.元気がないので心配になり,家族が救急室に連れてきた.痛みの訴えはない.咳なし.下痢なし.
既往歴:糖尿病と高血圧のため,自宅近くの診療所に通院中.糖尿病のコントロールは良好.
バイタルサイン:体温38.6℃,血圧112/62mmHg,脈拍数92回/分,呼吸数20回/分.
身体所見:頭頸部に異常所見なし.心雑音なし.呼吸音清.腹部は軟で圧痛なし.皮膚に発赤なし.右季肋部に当てた左手の上から右の手拳で叩打すると,痛そうに表情が変化した.
検査所見:腹部エコーで検査すると腫大した胆囊と胆囊壁の肥厚,胆泥貯留が見つかった.血液培養は陰性.
診断と治療:急性胆囊炎.抗菌薬投与により症状は改善し,退院となった.
参考文献
1)ジェームス・W・ヤング:アイデアのつくり方.CCCメディアハウス,1988.
2)de Dombal FT:Acute abdominal pain in the elderly. J Clin Gastroenterol 19(4): 331-335, 1994.
3)LeBlond RF:DeGowin's Diagnostic Examination, 9th ed. p473, McGraw-Hill Professional, 2008.
4)Kasper JLD, et al:Harrison's Principles of Internal Medicine, 19th ed, p106, McGraw-Hill Professional, 2015.
5)Bickley LS:Bates'Guide to Physical Examination and History Taking, 10th ed. p444, Lippincott Williams & Wilkins, 2008.
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