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文献詳細

雑誌文献

総合診療26巻2号

2016年02月発行

文献概要

特集 フィジカル改革宣言! ──診断からフォローアップまで 【部位別極意!何を意識して診ているか?】

—皮膚—発熱と皮疹でドキドキしない内科医になるために

著者: 佐田竜一1

所属機関: 1亀田総合病院 総合内科・内科合同プログラム

ページ範囲:P.128 - P.133

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Case
急な発熱と横紋筋融解をきたした60歳台女性をしっかり視診したら……
患者:60歳台,女性. 主訴:転倒,発熱.
現病歴:10月のある日,散歩中に転倒し動けなくなっているところを近所の人に発見され救急搬送.39℃台の発熱以外に明らかな所見なく,頭部CTでも異常はなかったが,クレアチンキナーゼ(CK)が2,393IU/mlと上昇していたため,即日入院となった.
 入院後は発熱が持続し,CKは20,000台まで上昇.さらに,入院2日目朝からショックバイタルになったため,ICUに入室した.その際の身体診察で,体幹・手掌を含む四肢に淡い紅斑があること(写真1),さらに左下腿膝窩部にダニが付着していること(写真2)が発見された.患者自身はダニに噛まれたことに全く気づいていなかった.ミノサイクリン200mg/日を開始したところ速やかに症状は軽快し,感染症研究所に提出した抗体検査にてRickettsia japonica IgG/IgMともに陽性であったことから,「日本紅斑熱」と診断した.

参考文献

1)Marcu A, et al:Experience of Lyme disease and preferences for precautions;a cross-sectional survey of UK patients. BMC Public Health 13 : 481, 2013.
2)Taylor AJ, et al:A systematic review of mortality from untreated Scrub Typhus(orientia tsutsugamushi). PLoS Negl Trop Dis 9(8): e0003971, 2015.
3)宮地良樹:発疹のみかた──宮地教授直伝 発疹が読めると皮膚科が面白い.メディカルレビュー社,2013.
4)長谷川真也,佐田竜一:成人患者の急性発熱+全身性紅斑──問診だけで診断を試みる.Clinical question, J Hospitalist Network, 2015. http://hospi.sakura.ne.jp/wp/wp-content/themes/generalist/img/medical/jhn-cq-kameda-150723.pdf(2015年1月12日現在)
5)九鬼隆家:mnemonics.東京GIMカンファレンス13,2013(10月11日).
6)McKinnon HD Jr, et al:Evaluating the febrile patient with a rash. Am Fam Physician 62(4): 804-816, 2000.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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