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文献概要
特集 フィジカル改革宣言! ──診断からフォローアップまで 【疾患別極意!コモンの診断・フォローアップはどうしているか?】
—蜂窩織炎—ビバ! シワ!
著者: 忽那賢志1
所属機関: 1国立国際医療研究センター 国際感染症センター/国際診療部
ページ範囲:P.148 - P.150
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身体診察から蜂窩織炎と診断した一例
患者:80歳台,男性.糖尿病.
現病歴:2日前から,発熱と右下肢の疼痛が出現した.今日になって痛みのため歩行困難となり,当院の救急外来を受診した.来院時,血圧145/92mmHg,脈拍数122回/分,体温38.9℃,呼吸数21回/分であった.右下腿に,比較的辺縁明瞭な発赤・熱感・腫脹を認めた(写真1).
診断:バイタルサインが安定しており,疼痛および圧痛が発赤部位に限局し,発赤部位を超えて疼痛を訴えることはなかったことから壊死性筋膜炎ではなく「蜂窩織炎」と診断した.また,右足関節・膝関節の腫脹を認めず進展屈曲でも疼痛の増強がないことから関節炎の合併はないと考えられた.
治療:来院時よりセファゾリンを開始したところ,入院3日目より発赤腫脹部位の縮小がみられ,腫脹していた部位にシワがみられるようになった.その後,入院7日目にも病変は残存していたものの歩行可能となり,抗菌薬治療を終了し退院となった.
身体診察から蜂窩織炎と診断した一例
患者:80歳台,男性.糖尿病.
現病歴:2日前から,発熱と右下肢の疼痛が出現した.今日になって痛みのため歩行困難となり,当院の救急外来を受診した.来院時,血圧145/92mmHg,脈拍数122回/分,体温38.9℃,呼吸数21回/分であった.右下腿に,比較的辺縁明瞭な発赤・熱感・腫脹を認めた(写真1).
診断:バイタルサインが安定しており,疼痛および圧痛が発赤部位に限局し,発赤部位を超えて疼痛を訴えることはなかったことから壊死性筋膜炎ではなく「蜂窩織炎」と診断した.また,右足関節・膝関節の腫脹を認めず進展屈曲でも疼痛の増強がないことから関節炎の合併はないと考えられた.
治療:来院時よりセファゾリンを開始したところ,入院3日目より発赤腫脹部位の縮小がみられ,腫脹していた部位にシワがみられるようになった.その後,入院7日目にも病変は残存していたものの歩行可能となり,抗菌薬治療を終了し退院となった.
参考文献
1)Siljander T, et al:Acute bacterial, nonnecrotizing cellulitis in Finland;microbiological findings. Clin Infect Dis 46(6): 855-861, 2008.
2)Perl B, et al:Cost-effectiveness of blood cultures for adult patients with cellulitis. Clin Infect Dis 29(6): 1483-1488, 1999.
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