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文献詳細

雑誌文献

総合診療26巻3号

2016年03月発行

文献概要

特集 こんな時は漢方でしょう! 【私のイチオシ処方】

消化器疾患—食欲がない時

著者: 佐藤弘12

所属機関: 1新潟医療福祉大学 医療経営管理学部 医療情報管理学科 2日本東洋医学会

ページ範囲:P.211 - P.214

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 「食欲がない」あるいは「食事摂取量が少ない」という訴えは,日常よく見る消化器症状の1つである.このような症状は単独で現れることは少なく,他の消化器症状,たとえば胃のもたれ,胸やけ,心窩部痛,下痢など,また非消化器症状として,易疲労倦怠感や気分の変調などの症状を伴うことが多い.こうした患者の症状の治療に際し,悪性腫瘍など原因となりうる器質的疾患の可能性を考慮しながら,漢方治療を行うことが重要である.
 食欲不振・食事摂取量不良患者を治療する際の中心的な処方が六君子湯で,人参湯は下痢がある時,補中益気湯は著明な易疲労感が目標となる.

参考文献

1)佐藤弘:漢方治療ハンドブック.南江堂,1999. <本書は,疾患あるいは症状ごとに,中心処方を設定し,これと鑑別すべき処方をいくつか挙げてその処方の着目する使用目標を示したことが特徴である>
2)佐藤弘:六君子湯─近代医学と漢方医学の接点.東京都医師会雑誌 62(4):337-340, 2009. <六君子湯の古典の記載と近代医学の病態の対比,近代医学の立場から見た六君子湯の作用機序を概説している>
3)稲木一元:臨床医のための漢方薬概論.p647,南山堂,2014. <津田玄仙の口訣は,本書を参考に自分の言葉で記載した.本書は,医療用漢方製剤のほとんどを網羅した処方運用法のみならず,古典の解説および近代医学的知見,治験例を含めて解説している良書である>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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