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文献詳細

雑誌文献

総合診療26巻3号

2016年03月発行

文献概要

特集 こんな時は漢方でしょう! 【私のイチオシ処方】

循環器疾患—❶立ちくらみがする・長時間立っていられないという時,❷手足の先が冷えて痛む時,❸高齢者の朝の頭痛

著者: 稲木一元1

所属機関: 1青山稲木クリニック 内科・漢方内科

ページ範囲:P.223 - P.226

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起立性低血圧症/起立性調節障害
 起立性低血圧症あるいは起立性調節障害には,漢方薬の適応がある.第一選択は半夏白朮天麻湯である.無効な場合,苓桂朮甘湯・五苓散を試みる.いずれもめまいに用い,後者では慢性頭痛を伴う点を使用目標とする.他に,倦怠感の強い例では補中益気湯,若年女性で月経痛があり冷え症の例では当帰芍薬散も選択肢となる.

参考文献

1)稲木一元:臨床医のための漢方薬概論.pp596-602,南山堂,2014. <半夏白朮天麻湯の原典から近年の報告までの解説・使用法・典型例等が示されている>
2)稲木一元:臨床医のための漢方薬概論.pp509-513,南山堂,2014. <当帰四逆加呉茱萸生姜湯の原典から近年の報告までの解説・使用法・典型例等が示されている>
3)城島久美子:当帰四逆加呉茱萸生姜湯の血管性間欠性跛行に対する臨床効果.日東医誌 62(4): 529-536, 2011. <当帰四逆加呉茱萸生姜湯は,閉塞性動脈硬化症による血管性間欠性跛行に対して,シロスタゾールと同等の効果,および併用効果が認められた>
4)稲木一元:臨床医のための漢方薬概論.pp474-479,南山堂,2014. <釣藤散の原典から近年の報告までの解説・使用法・典型例等が示されている>
5)Terasawa K, et al : Choto-san in the treatment of vascular dementia ; a double-blind, placebo-controlled study. Phytomedicine 4(1): 15-22, 1997. <多施設二重盲検ランダム化比較試験で,脳血管性認知症に釣藤散が有用であった>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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