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文献詳細

雑誌文献

総合診療26巻4号

2016年04月発行

Editorial

星の数ほどのpractice based research networkを!

著者: 藤沼康樹1

所属機関: 1医療福祉生協連家庭医療学開発センター

ページ範囲:P.277 - P.277

文献概要

 たとえば「血糖のコントロールが各種合併症の発症を防ぐ」というような,現在の2型糖尿病治療の基本コンセプトの源流は,英国糖尿病前向き研究(UKPDS)1)の一連の成果にあると言えるだろう.この研究は,英国のアカデミックセンターと地域の一般医・家庭医がガッチリとネットワークを組んだリサーチグループによるものであり,プライマリ・ケアの現場からの研究成果が世界の診療に変化をもたらした代表例と言えるだろう.こうしたプライマリ・ケア現場の診療所群による研究グループを「practice based research network(PBRN)」と呼ぶ.
 そして,僕らは自分たちの家庭医療専門研修プログラムを構成している10カ所の診療所群でPBRNをつくり,3年間にわたる在宅患者さんの前向きコホート研究を実施している.中間のまとめで,すでに興味深いデータが得られている.たとえば,「在宅医療に移行後,生活機能がむしろ改善する患者さんがかなりの率でいる」ということがわかってきた.

参考文献

1)UK Prospective Diabetes Study(UKPDS) Group : Intensive blood-glucose control with sulphonylureas or insulin compared with conventional treatment and risk of complications in patients with type 2 diabetes(UKPDS 33). Lancet 352(9131): 837-853, 1998.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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