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文献詳細

雑誌文献

総合診療26巻4号

2016年04月発行

文献概要

特集 ケースとクイズで総ざらい! 街場の2型糖尿病治療 【街場のケース&クイズ】

経口血糖降下薬を開始・変更・追加するケース

著者: 吉本清巳1

所属機関: 1奈良県立医科大学総合医療学

ページ範囲:P.297 - P.302

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Case ❶
定期的に受診はするが,内服に抵抗がある患者
 あなたは,医師1人の内科クリニックに週1回診療に来ている中堅総合内科医です.あなたの勤務日は,院長は不在です.
患者:69歳,男性.当院には不定期(2〜3カ月に一度)に,胃薬の処方を希望して受診されます.消化管内視鏡や腹部エコーなどの検査を年1回は受けていて,当院には5年くらいかかっています.
現病歴:X年6月に院長が採血し,HbA1cが7.1%でした.5月にも院長がHbA1cを測っていて,その時は7.2%でした.院長はHbA1cが高いのは知っていて,定期的に測っていたようです.経口血糖降下薬は処方されていません.
 あなたの外来には,同9月初旬に胃薬を希望して初めて来られました.6月のHbA1cの結果は聞きに来ておられません.あなたはその結果を説明して採血を強く勧め,血液検査をしたところHbA1cが7.4%でした.過去のHbA1c値の推移を見返すと,X-2年に一時7.3%まで上昇し,その後は食事・運動療法で6%台まで改善,X年3月までは6%台後半で,再度7%を超え出したのは5月からのようでした.
 同9月下旬,2週間後のあなたの外来日に,前回の結果を聞きに受診されました.身長177cm・体重68.5kg,BMI 21.86です.患者さんは血糖値が高いことは認識していて,食事や運動はそれなりに気をつけているとのことでした.「糖尿病の薬は飲みたくない」と言っています.
 
※「図1 病態に合わせた経口血糖降下薬の選択」は,権利者の意向等により冊子体のみの掲載になります.

参考文献

1)日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド 2014-2015.文光堂,2014.
2)荒木栄一,他:糖尿病治療薬の最前線 改訂第2版.p2,中山書店,2015.
3)United Kingdom Prospective Diabetes Study(UKPDS). 13 : Relative efficacy of randomly allocated diet, sulphonylurea, insulin, or metformin in patients with newly diagnosed non-insulin dependent diabetes followed for three years. BMJ 310(6972): 83-88, 1995.
4)岡部圭介,他:経口血糖降下薬無効例の見極め.medicina 53(1): 75-77, 2016.
5)前掲文献1:p29.
6)Inzucchi SE, et al : Management of hyperglycaemia in type 2 diabetes, 2015 ; a patient-centred approach ; update to a position statement of the American Diabetes Association and the European Association for the Study of Diabetes. Diabetes Care 38(1): 140-149, 2015.
7)日本糖尿病学会(編):科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013.南江堂,pp53-63,2013.
8)荒木栄一,他:糖尿病治療薬の最前線 改訂第2版.p212,中山書店,2015.
9)Umayahara R, et al : Low-dose glimepiride with sitagliptin improves glycemic control without dose-dependency in patients with type 2 diabetes inadequately controlled on high-dose glimepiride.Endocr J 61(12): 1163-1170, 2014.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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