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特集 ケースとクイズで総ざらい! 街場の2型糖尿病治療 【街場のケース&クイズ】
外来でインスリン導入を行うために
著者: 古垣斉拡1
所属機関: 1ふるがき糖尿病内科医院
ページ範囲:P.303 - P.309
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認知症を伴った高齢の2型糖尿病の一例
患者:75歳,女性.アルツハイマー型認知症(中等度).夫(78歳)と2人暮らしで,夫以外にサポートする家族はいない.本人が嫌がるために介護保険の各種サービスを利用できず,認知症のために食事・運動療法は困難である.
所見:BMI 23.0.随時血糖450mg/dl,HbA1c 15.0%.GAD抗体0.2U/ml,血中CPR(C-peptide immunoreactivity)2.5ng/ml(食後2時間値).
処方:SU薬(スルホニル尿素薬;グリメピリド4mg/日)に加えて,本人に代わって夫が1日1回打ちのインスリン療法(インスリングラルギン15単位/日)を施行しているが,上記所見のように血糖コントロールはきわめて不良である.夫に話を聞くと,インスリンを打つのも,時には内服するのも,本人が嫌がっているようである.
合併症:増殖前網膜症,糖尿病腎症第2期,頸動脈硬化症.
認知症を伴った高齢の2型糖尿病の一例
患者:75歳,女性.アルツハイマー型認知症(中等度).夫(78歳)と2人暮らしで,夫以外にサポートする家族はいない.本人が嫌がるために介護保険の各種サービスを利用できず,認知症のために食事・運動療法は困難である.
所見:BMI 23.0.随時血糖450mg/dl,HbA1c 15.0%.GAD抗体0.2U/ml,血中CPR(C-peptide immunoreactivity)2.5ng/ml(食後2時間値).
処方:SU薬(スルホニル尿素薬;グリメピリド4mg/日)に加えて,本人に代わって夫が1日1回打ちのインスリン療法(インスリングラルギン15単位/日)を施行しているが,上記所見のように血糖コントロールはきわめて不良である.夫に話を聞くと,インスリンを打つのも,時には内服するのも,本人が嫌がっているようである.
合併症:増殖前網膜症,糖尿病腎症第2期,頸動脈硬化症.
参考文献
1)岩瀬正典:【最新 外来インスリン療法】外来インスリン導入のための5項目──2型糖尿病におけるインスリン導入時期とは.糖尿病レクチャー 1(2):201-207, 2010.
2)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン策定に関する委員会:高齢者の糖尿病(骨代謝を含む).日本糖尿病学会(編):科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 2010.南江堂,pp219-230, 2010.
3)U.K. Prospective Diabetes Study Group:U.K. prospective diabetes study 16. Overview of 6 years therapy of typeⅡdiabetes;a progressive disease. Diabetes 44(11): 1249-1258, 1995.
4)Maruyama T, et al:Insulin intervention in slowly progressive insulin dependent(type1)diabetes mellitus. J Clin Endocrinol Metab 93(6): 2115-2121, 2008.
5)金塚東,糖尿病データマネジメント研究会,他:Codicを用いた2型糖尿病における薬物療法の実態調査──経口血糖降下薬療法患者におけるインスリン療法の導入.糖尿病 53(S1): S152, 2010.
6)日本糖尿病学会:糖尿病治療ガイド2014-2015.p15,文光堂,2014.
7)林洋一,他:インスリン治療を勧められた2型糖尿病患者の心理,DAWN JAPAN調査2005.糖尿病 49(S1):S187, 2006.
8)小林哲郎:1型糖尿病の診断と治療のポイント.Med Pract 28(1):87-92, 2011.
9)Holman RR, et al ; 4-T Study Group:Three-year efficacy of complex insulin regimens in type 2 diabetes. N Engl J Med 361(18): 1736-1747,2009.
10)Raccah D, et al:When basal insulin therapy in type 2 diabetes mellitus is not enough-what next? Diabetes Metab Res Rev 23(4): 257-264, 2007.
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