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文献詳細

雑誌文献

総合診療26巻5号

2016年05月発行

文献概要

特集 しびれるんです!─知っておくべきシビレル疾患 【多発神経炎の鑑別診断】

ギラン・バレー症候群は非典型例が典型的

著者: 東田京子1 川本未知2

所属機関: 1国立循環器病研究センター病院脳神経内科 2神戸市立医療センター中央市民病院神経内科

ページ範囲:P.404 - P.409

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Case
症例:57歳,男性.
現病歴:特に先行感染はなし.
 4日前から両上肢の脱力感が出現した.2日前から両下肢の脱力感のため歩きにくくなり,救急車で来院した.筋力は遠位筋優位にMMT 4〜5程度と低下していた.脳神経麻痺や他覚的な感覚障害,運動失調は認めなかった.アキレス腱反射でやや低下,それ以外の腱反射は正常であった.髄液検査は正常で,脊髄MRI検査でも異常は認めなかった.入院日に施行した神経伝導検査では,F波の出現頻度低下が見られた.入院第2病日には筋力低下は増悪し歩行障害を認め,両手指末梢に軽度のしびれ感をきたし,四肢腱反射の低下を認めた.ギラン・バレー症候群を疑い,免疫グロブリン大量療法を行った.第4病日の神経伝導検査では,F波の消失と複合筋活動電位の低下を認めた.一時は四肢筋力がMMT 3レベルまで低下したものの,2週間後にはMMT 4〜5レベルまで改善した.後日,IgG型抗GM1抗体陽性と判明した.

参考文献

1)Yuki N, et al : Guillain-Barré Syndrome. N Engl J Med 366(24): 2294-2304, 2012. <GBSの総説>
2)McGrogan A, et al : The epidemiology of Guillain-Barré syndrome worldwide ; a systematic literature review. Neuroepidemiology 32 : 150-163, 2009. <1980〜2008年までに発表された63編のGBS症候群に関する論文のレビュー>
3)Fokke C, et al : Diagnosis of Guillain Barré syndrome and validation of Brighton criteria. Brain 137(P+1): 33-43, 2014. <GBSの診断基準であるBrighton criteriaについてまとめられている>
4)Mori M, et al : Clinical features and prognosis of Miller Fisher syndrome. Neurology 56(8): 1104-1106, 2001. <フィッシャー症候群の臨床病型と診断基準>
5)Lyu RK, et al : Guillan-Barré syndrome in Taiwan ; a clinical study of 167 patiens. J Neurol Neurosurg Psychiatry 63(4): 494-500, 1997. <台湾におけるGBSやFisher症候群の臨床経過や特徴に関する報告>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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