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特集 しびれるんです!─知っておくべきシビレル疾患 【多発神経炎の鑑別診断】
ギラン・バレー症候群は非典型例が典型的
著者: 東田京子1 川本未知2
所属機関: 1国立循環器病研究センター病院脳神経内科 2神戸市立医療センター中央市民病院神経内科
ページ範囲:P.404 - P.409
文献購入ページに移動症例:57歳,男性.
現病歴:特に先行感染はなし.
4日前から両上肢の脱力感が出現した.2日前から両下肢の脱力感のため歩きにくくなり,救急車で来院した.筋力は遠位筋優位にMMT 4〜5程度と低下していた.脳神経麻痺や他覚的な感覚障害,運動失調は認めなかった.アキレス腱反射でやや低下,それ以外の腱反射は正常であった.髄液検査は正常で,脊髄MRI検査でも異常は認めなかった.入院日に施行した神経伝導検査では,F波の出現頻度低下が見られた.入院第2病日には筋力低下は増悪し歩行障害を認め,両手指末梢に軽度のしびれ感をきたし,四肢腱反射の低下を認めた.ギラン・バレー症候群を疑い,免疫グロブリン大量療法を行った.第4病日の神経伝導検査では,F波の消失と複合筋活動電位の低下を認めた.一時は四肢筋力がMMT 3レベルまで低下したものの,2週間後にはMMT 4〜5レベルまで改善した.後日,IgG型抗GM1抗体陽性と判明した.
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