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文献詳細

雑誌文献

総合診療26巻6号

2016年06月発行

文献概要

特集 “賢い処方”と“ナゾ処方” 【ケース別“賢い処方”と“ナゾ処方”】

超高齢者には不要なクスリとそのリスク

著者: 西村正大1

所属機関: 1地域医療振興協会 市立奈良病院 総合診療科

ページ範囲:P.469 - P.472

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あるあるナゾ処方Case
自己転倒による頭部外傷で入院した超高齢者の内科的管理を依頼された一例
患者:89歳,女性.42kg.要介護2,中等度認知症.自宅で息子夫婦と同居.
既往歴:77歳からアルツハイマー型認知症.82歳時に心房細動.87歳時に腰椎圧迫骨折(転倒後).
内服歴:
▼◯◯内科クリニックより
ワーファリン,アイトロール,ラシックス,ニトロダームTTS,アリセプト,酸化マグネシウム,レンドルミン,マイスリー
▼△△整形外科クリニックより
ロキソニン,ムコスタ,エディロール
現病歴:自宅で転倒後に救急搬送となり,軽度の急性硬膜下血腫を認めたため,脳外科入院となりました.あなたは入院中の内科的管理を依頼され,ワーファリンの再開とその他の内服薬について継続すべきかどうかで悩んでいます.

参考文献

1)Woolcott JC, et al : Meta-analysis of the Impact of 9 Medication Classes on Falls in Elderly Persons. Arch Intern Med 169(21): 1952-1960, 2009. <薬剤と転倒に関する22の大規模スタディを集めたメタアナリシス>
2)Pariente A, et al : Benzodiazepines and injurious falls in community dwelling elders. Drugs Aging. 25(1): 61-70, 2008. <フランスの65歳以上の一般住民を対象としたコホート研究.年齢区分によるリスクが層別化されて示されている>
3)日本腎臓病薬物療法学会:腎機能低下時の主な薬剤投与量一覧改訂38版,2014. 腎機能低下時に最も注意が必要な薬剤投与量一覧改訂26版,2015.
4)Una E, et al : Management of persistent pain in the older patient. JAMA 312(8): 825-836, 2014.
5)Howard, et al : Donepezil and Memantine for Moderate-to-Severe Altzheimer's Disease. NEJM 366(10): 893-903, 2012. <295人の平均77.1歳の在宅アルツハイマー型認知症患者のスタディ.著者は,中等度から高度でもドネペジルの継続は意味があると結論づけている>
6)Inoue H, et al : Target international normalized ratio values for preventing thromboembolic and hemorrhagic events in Japanese patients With non-valvular atrial fibrillation ; results of the J-RHYTHM Registry. Circ J 77(9): 2264-2270, 2013. <日本の大規模な観察的コホート研究.70歳以上の高齢者に対する至適INR 1.6〜2.6の妥当性が改めて示された>
7)Reuben DB : Geriatrics At Your Fingertips 2012. p15, American Geriatrics Society, 2012.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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