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文献詳細

雑誌文献

総合診療26巻6号

2016年06月発行

文献概要

特集 “賢い処方”と“ナゾ処方” 【ケース別“賢い処方”と“ナゾ処方”】

ER・集中治療領域における“エビデンスに乏しい処方”

著者: 大楠崇浩1 金成浩1 木積一浩1 永田慎平1

所属機関: 1大阪警察病院 ER・総合診療センター

ページ範囲:P.490 - P.493

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あるあるナゾ処方Case❶
アナフィラキシーなのに抗ヒスタミン薬とステロイド?!
患者:35歳,男性.そばアレルギー.
現病歴:昼食に冷麺を摂取後,10分程度で気分不良と嘔吐が出現,15分程度で喘鳴と胸部不快感を自覚し,ERへ搬送となる.顔貌は苦悶様.血圧142/80mmHg,心拍数122回/分,SpO2 92%(室内気).呼気時にwheezeを聴取.体幹・四肢に発赤を認める.
 冷麺に含まれるそば粉による「アナフィラキシー」が疑われ,ハイドロコートン200mgとポララミン5mgが点滴静注された.

参考文献

1)Nowak R, et al : Customizing anaphylaxis guidelines for emergency medicine. J Emerg Med 45(2): 299-306, 2013. <どの診療科の医師であっても押さえておきたいアナフィラキシー治療のポイントが,簡潔にまとめられている>
2)Lee S, et al : Time of onset and predictors of biphasic anaphylactic reactions ; a systematic review and meta-analysis. J Allergy Clin Immunol Pract 3(3): 408-416, e1-2, 2015. <biphasic reactionがどのくらいの頻度で報告されているか,どんな症例に起こりやすいのかがよくわかるシステマティックレビュー>
3)Nair P, et al : Addition of intravenous aminophylline to inhaled beta(2)-agonists in adults with acute asthma. Cochrane Database Syst Rev 12 : CD002742, 2012. <成人喘息発作におけるアミノフィリンの有効性を検証したシステマティックレビュー>
4)Callaham M:Hypoxic hazards of traditional paper bag rebreathing in hyperventilating patients. Ann Emerg Med 18(6): 622-628, 1989. <ペーパーバック呼吸法の危険性に関して広く知られるきっかけとなった論文>
5)中村正:めまい治療のエビデンス─その現状と問題点.Equilibrium Res 61(4): 224-230, 2002. <臨床で用いられるさまざまなめまい治療薬のエビデンスが検証されている>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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