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雑誌目次

雑誌文献

総合診療26巻7号

2016年07月発行

雑誌目次

特集 感染症ケアバンドル・チェックリスト

今月のQuestion & Keyword Index

ページ範囲:P.557 - P.557

 より早く,より的確に内容をとらえるために,QuestionとKeywordによるIndexをご利用ください.
 それぞれ各論文の要点を示す質問とキーワードで構成されています.
Question
Q1 医療関連感染症における「ケアバンドル」とは? 558
Q2 院内で発症した発熱がみられた患者への基本的なアプローチの方法について教えてください. 560
Q3 好中球減少者の発熱で留意することは? 565
Q4 HIV感染者の不明熱で,通常の不明熱とは異なる特に重要なポイントは? 571
Q5 敗血症で留意すべきポイントは? 575
Q6 尿道カテーテル関連尿路感染症の予防に必要なことは? 579
Q7 カテーテル由来血流感染症(CRBSI)予防バンドルとは? 583
Q8 人工呼吸器関連肺炎(VAP)の診断基準は? 589
Q9 人工呼吸器関連肺炎予防の最良の組み合わせ(バンドル)は? 589
Q10 クロストリジウム・ディフィシル感染症の代表的なリスクファクターである抗菌薬の中で,特に頻度の高い抗菌薬は何か? 592
Q11 クロストリジウム・ディフィシル感染症の感染対策で,有用である感染予防策は何か? 592

ONE MORE GM

ページ範囲:P.607 - P.609

Q1 感染性心内膜炎が疑われたものの,血液培養陰性である場合は?
A1 発熱(38℃以上)の他に,基礎疾患としての心弁膜症,塞栓症状や出血性梗塞巣などの血管病変,糸球体腎炎の免疫反応所見(Modified Duke Criteria のMinor Criteria)などを含めた全身の臨床像から,感染性心内膜炎を疑います.培養陰性の心内膜炎の3分の2の患者に,事前の抗菌薬投与があったとの報告があります1).もし抗菌薬が使用されている場合は中止し,再度血液培養を採取します.抗菌薬投与期間が2〜3日であれば,中止後直ちに陽性になるとされていますが,投与期間が長期になると,数週間以上経ても陽性化しないこともあります.手術適応と判断され,心臓弁置換術時に疣贅組織が得られた場合は,遺伝子検査へ供することで起因菌の推定を行います.

【総論】

バンドル・チェックリスト・ベーシックス—エビデンス,使用のコツとピットフォール

著者: 本田仁

ページ範囲:P.558 - P.559

 病院における「質の改善」のためには,さまざまな介入が必要である.「改善」の概念は石川馨氏ら先駆者による提唱があり1),これは企業において非常に効果の高い改善効果をもたらした.医療の世界も他業界と同様に,ミスや生じてほしくない合併症を完全に回避することは困難である.ただ,医療界におけるミスは患者に直接被害を及ぼす可能性があるため,医療従事者はこの状況をできるだけ最小限にするよう努力する必要がある.
 感染症,特に医療関連感染症の予防に関して,「バンドル(束)・チェックリスト」の導入は,過去の研究で示されているとおり,大きな改善をもたらした.当たり前のことをチェックリストにして,その内容を確認しながら医療を進めていくという,一見当たり前すぎることを確実に履行していくことが,ミスを最小限に抑えるのである.

【不明熱および敗血症ケアバンドル・チェックリスト】

院内不明熱患者の診断・治療

著者: 成田雅

ページ範囲:P.560 - P.564

入院時に感染症は存在しなかった患者─入院中に38.3℃以上の発熱が数回出現し,2日間の培養検査も含め,3日間の入院精査でも原因不明の時のアプローチ
Case
見逃された偽膜性腸炎
患者:72歳,男性.
主訴:食思不振.
既往歴:前立腺肥大.
現病歴:耕うん機に両足を巻き込まれ,下肢切断は免れたものの,壊死組織の外科的除去,植皮術を施行.創部よりMRSA,多剤耐性緑膿菌が検出され,バンコマイシン,メロペネムを3週間使用した.その後食思不振,発熱(38.5℃),腹部膨満感出現.経過観察していたが,症状改善せず.尿培養ともに大腸菌(ESBL産生)が検出されたことから,「尿路感染症」と診断され,再度メロペネムが投与された.この時CDトキシン検査を施行するも陰性.37℃台の発熱が持続した.全身浮腫(anasarca),腹部CT上腹水貯留が認められた.白血球45,000/μlまで増加,腹腔内膿瘍が疑われ開腹ドレナージが施行されるも,多核白血球を認めるのみで,培養結果は陰性.その後ショック状態となり,集中治療室へ転床.全身状態は改善せず,持続透析を行い,昇圧剤を使用するも死亡.剖検所見にて大腸全体の偽膜を認めた.

好中球減少性不明熱患者の診断・治療

著者: 堀之内秀仁

ページ範囲:P.565 - P.570

Case
患者:68歳,男性.
主訴:発熱.
現病歴:非Hodgkinリンパ腫(びまん性B細胞リンパ腫)と診断されて入院し,10日前にR-CHOP療法(リツキシマブ,シクロホスファミド,ドキソルビシン,ビンクリスチン,プレドニゾロン)を開始した.悪寒とともに38.5℃の発熱が出現した.
既往歴・合併症:高血圧,脂質代謝異常症.
喫煙歴:なし.
バイタルサイン:意識清明,血圧126/78mmHg,脈拍数96回/分・整,呼吸数18回/分,SpO2 98%(室内気).
身体所見:全身の系統的診察を行ったが,明らかな異常所見は認められなかった.

HIV関連不明熱(FUO)患者の診断・治療

著者: 岡秀昭

ページ範囲:P.571 - P.574

Case
IRISによるサイトメガロウイルス腸炎と診断されたHIV-FUO
患者:35歳,日本人男性.MSM(men who have sex with men).海外渡航歴なし.
既往歴:B型肝炎,梅毒.
現病歴:3週間続く咳と息切れ,発熱で外来受診し,HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症,ニューモシスチス肺炎の診断となった.診断時HIV-RNA 120,000,CD4値20.
ST合剤とステロイド投与を3週間行い,軽快.
その後にツルバダ+テビケイによるART(antiretrovial therapy)を開始したところ,投与開始1週後から38℃の発熱が10日ほど持続している.アジスロマイシンとST合剤の予防内服を行っている他に常用薬はない.
 発熱・倦怠感に加え,軽度の嚥下時痛と下痢,腹痛を認めた.
 身体所見は,口腔内の白苔なし,表在リンパ節腫大なし,胸部・腹部所見異常なし,発疹なし,陰部肛門に所見なし,神経学的所見異常なし,眼底所見異常なし.
 CD4値50未満で,ART開始後の不明熱であり,サイトメガロウイルス感染,クリプトコッカス症,抗酸菌症などIRIS(immune reconstruction inflammatory syndrome)と考えた.
 胸部X線や胸腹部CTでは異常なく,クリプトコッカス抗原陰性.サイトメガロウイルスアンチゲネミアの増加があったことから,消化器症状と併せてサイトメガロウイルス腸炎を疑い,上部(図1)・下部(図2)消化管内視鏡施行.病変部の生検結果からサイトメガロウイルス腸炎と診断.バリキサ内服とARTを継続し軽快した.

敗血症(surviving sepsis campaign)の診断・治療

著者: 桑野公輔 ,   柳秀高

ページ範囲:P.575 - P.578

Case
尿管結石により敗血症性ショックをきたした1例
患者:65歳,男性.
既往歴:高尿酸血症,高血圧.
現病歴:来院前日,全身倦怠感,悪寒を認めたため,前医受診し,感冒の診断でセフカペンを処方されていたが,JCS(Japan Coma Scale)300の意識障害および収縮期血圧60mmHgとショック状態が出現したため,当院救急搬送となった.来院時の腹部CTでは,右尿管結石および右腎盂拡張を認めた.尿グラム染色では白血球と多数のグラム陰性桿菌を認め,「尿路感染に伴う敗血症性ショック」の診断となった.診断後,十分な輸液,血管作動薬の投与,気管挿管,人工呼吸などの支持療法,抗菌薬の推測投与(セフトリアキソン)をしつつ,直ちに尿管カテーテル挿入術施行.後日,入院時に施行した血液培養2/2セットより大腸菌が検出された.抗菌薬を特異的治療(アンピシリン)に変更し,軽快した.

【感染症予防バンドル・チェックリスト】

尿道カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)の予防

著者: 栗山明

ページ範囲:P.579 - P.582

尿道カテーテル関連尿路感染症(G1)
 入院患者の15〜25%が,一時的に尿道カテーテルを留置される.尿道カテーテルに関連して発症する尿路感染症は,尿道カテーテル関連尿路感染症(CAUTI:catheter-associated urinary tract infections)と呼ばれ,入院期間の延長,死亡率の増加や医療費の増加に関連する.CAUTIは入院後発症のUTI(尿路感染症)の大部分を占めるだけでなく,医療関連感染症の約30%を占める.
 私たちの医療行為のなかで使ったデバイスがCAUTI発症の原因になるため,CAUTIは医原性の要素がある.さらに,尿道カテーテルを留置する患者は侵襲的な処置を受けたり,重症であったりするため,そのような患者に与えるCAUTIの影響は甚大である.尿道カテーテルの適切な操作を行うだけでなく,必要な患者に尿道カテーテルを置く,不要な尿道カテーテルは抜く,という医療者の意識が大切である.

カテーテル由来血流感染症(CRBSI)の予防

著者: 崎浜智子 ,   加藤幹朗

ページ範囲:P.583 - P.588

Case
カテーテル由来血流感染症(CRBSI)によるpreventable death(予防すべき死)事例3)
患者:18カ月,女児.
 全身火傷でJohns Hopkins大学病院PICU(小児集中治療室)入室中,カテーテル由来血流感染症を契機に,その後の不適切な治療も影響し死亡.重大な医療事故と認定され,莫大な賠償金が遺族へ支払われた.女児の母親は「このような悲劇を二度と起こさないための活動に,賠償金を役立てたい」と切望した8)

人工呼吸器関連肺炎(VAP)の予防

著者: 五十野博基

ページ範囲:P.589 - P.591

人工呼吸器関連肺炎(VAP)とは
 人工呼吸器関連肺炎(VAP:ventilator-associated pneumonia)は,気管内挿管から48時間以上経過して発症した呼吸器感染症であり,特に,❶新たなまたは増悪する胸部浸潤影と,❷臨床所見3つ(38℃以上の発熱,白血球上昇・減少,膿性痰)のうち2つがあれば疑われる.「疑われる」と書いたのは,この基準が感度69%,特異度75%との報告もあり,診断精度が高くないからである.さらに他にもCPIS(clinical pulmonary infection score)など複数の診断基準があり,VAPの診断自体にコンセンサスが得られていないからである.
 新たに2013年,CDC(アメリカ疾病予防管理センター)からVAE(Ventilator-associated event)という人工呼吸器関連の有害事象を広く含む概念が提案されている.これにはCDCの旧基準と異なり,自動的にカルテから抽出可能な量的指標が用いられている.2日間以上の人工呼吸器管理の後に酸素化が悪化すれば,まずVAC(ventilator-associated condition:人工呼吸器関連状態)に該当する.さらに感染や炎症の徴候を認めると,IVAC(infection-related ventilator-associated complication:感染症に関連した呼吸器合併症)に該当する.ここに膿性の気道分泌物や細菌検査の陽性所見があれば,基準に照らしてpossibleまたはprobable VAPと定義している1).これらはあくまでサーベイランス基準であり,治療目的の診断とは異なるが,今後の扱いに注目したい.

クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)の予防

著者: 羽田野義郎

ページ範囲:P.592 - P.595

Case
患者:70歳台,男性.
主訴:下痢,腹部不快感.
現病歴:Klebsiella pneumoniaeによる肝膿瘍,化膿性椎体炎で入院中の患者.現在セフトリアキソンによる治療を行っている.治療開始14日目より5回の下痢,嘔気,腹部不快感が出現した.明らかな血便はない.入院時には認めていた右季肋部痛,背部痛は改善傾向である.
バイタルサイン:身長165cm,体重47kg.体温37.5℃,血圧137/91mmHg,心拍数88回/分,呼吸数20回/分,SpO2 98%(room air).
身体所見:意識清明.口腔内は潰瘍など粘膜に異常なし.胸部は呼吸音清,心雑音を聴取しない.腹部は平坦・軟,𦜝周囲に圧痛が軽度あり.Tapping pain なし.肝叩打痛なし.四肢・皮膚に明らかな所見なし.明らかな神経学的異常を認めない.
検査所見:CDトキシン陽性.

【座談会】

バンドル・チェックリスト導入! 現場体験談—根づかせるコツとピットフォール

著者: 徳田安春 ,   崎浜智子 ,   本田仁 ,   栗山明

ページ範囲:P.596 - P.606

 バンドル・チェックリストをご存知でしょうか? 行動科学に基づく包括的介入とも呼べるこの取り組みは,感染症の発症や死亡を大幅に低下させることが判明し,近年,世界中に広がりつつあります.
 本座談会では,臨床現場をリードしてこられた若手医療者にもご参加いただき,現場におけるバンドル・チェックリストの具体的な導入と実践方法についてお聞きしました. (『総合診療』編集室)

Editorial

「ケアバンドル・チェックリスト」で感染症診療の質向上と耐性菌減少を!

著者: 徳田安春

ページ範囲:P.549 - P.549

 本特集は,感染症関連のケアのために現場で即役に立つ代表的「ケアバンドル・チェックリスト」の紹介と,その実際の使い方を提供する.
 総合診療医は複雑な患者の感染症ケアも担当することが多い.高齢者,フレイル,サルコペニア,コモビディティ,免疫不全状態,臓器移植後,HIV感染などのケースである.このような患者には,発熱への適切な診断と迅速で適切な治療が必須であり,ケアバンドルをベースとするチェックリストによる予防,診断,治療等の介入が有効である.また,点滴,デバイスや人工呼吸器などの複雑な医療介入を受ける患者のケアでも,医療関連感染症の予防が重要な課題であり,その予防にも「ケアバンドル・チェックリスト」が有効である.

What's your diagnosis?[163]

「いいえ,若眼です」

著者: 南尚吾 ,   上田剛士

ページ範囲:P.553 - P.556

病歴
症例:30歳,女性.生来健康.
主訴:複視.
現病歴:半年前から仕事中に物が二重に見えることが週に1回程度あったが,まばたきすることで元に戻っていた.3週間前ほど前から二重に見えて困る時間のほうが長くなった.また両眼奥の重だるさや,肩こりも自覚するようになった.単眼視では複視は消失し,遠くも近くも見えにくさはない.眼科で左眼の斜視,脳神経外科で右眼の斜視を指摘され,MRI検査を勧められて当院を受診した.先行感染,運動感覚障害,構音障害,嚥下障害,排尿障害,鼻症状,耳症状,嘔気,嘔吐,発熱,視力低下,羞明,眼脂,立ち眩み,日内変動,眼瞼下垂,入浴時の複視の増悪(Uhthoff徴候),有痛性強直痙攣,暑がり,動悸,振戦はいずれもなかった.
既往歴:特記すべき既往なし.
内服歴:服用薬なし.
家族歴:自己免疫疾患や神経疾患,甲状腺疾患の家族歴なし.
生活歴:1年前に禁煙,機会飲酒.

GM Library 私の読んだ本

草場鉄周(編集主幹)・一瀬直日(専門編集)『総合診療専門医 腕の見せどころ症例 最上のポートフォリオに向けて』<総合診療専門医シリーズ2>

著者: 前野哲博

ページ範囲:P.611 - P.611

 新しい専門医制度の目玉として,総合診療専門医に注目が集まっている.その一方で,実際どんな診療をするのか,専門医をどのように養成するのか,といったイメージがつかみにくいため,混乱を招いているのも事実である.本「総合診療専門医シリーズ」は,この問題に正面から取り組んだ意欲的なシリーズで,第一線で活躍する総合診療のエキスパートが総力を結集して作り上げたものである.その第2巻(0巻があるので実質的には3冊目)では,専門研修に欠かすことのできない「ポートフォリオ」を取り上げている.
 総合診療医の専門性については,手術手技のように,難度は高いものの到達目標が明確なものは少なく,「未分化で多様かつ複雑な問題への対応」のように,標準化・体系化が難しい暗黙知が求められるものが多い.その修得には「省察を繰り返して学びを深める」プロセスが不可欠であり,それが,総合診療専門研修においてポートフォリオが課されている大きな理由である.その一方で,ポートフォリオについてはあまり馴染みがなく,専攻医だけでなく指導医も,どうすればよいのか困ることが多いのが現状ではないだろうか.

松村真司,矢吹 拓(編)『外来診療ドリル 診断&マネジメント力を鍛える200問』

著者: 徳田安春

ページ範囲:P.625 - P.625

珠玉の外来100ケースを疑似経験
 医師の診療能力はさまざまなケースを経験して上達する.それは,マニュアルやガイドラインのみを参照するだけでは決して得られない“臨床の実践知”なのである.読者は,本書を精読することにより珠玉の外来100ケースを疑似経験することができる.患者背景,主訴,病歴,バイタルサイン,身体所見,初期検査などが継時的に示され,本書を読みながら外来診察室で患者と向き合っているような雰囲気に引き込まれていく.
 各ケースには,臨床的な判断ポイントを問うものとして,重要な診断と治療についての設問が1つずつ付いている.設問数は合計200となる.選択肢は単純な知識を問うものというより,問題解決能力を問う形式がほとんどである.知識を問う問題の解答はネットですぐに得られても,これらの設問の解答について,自信を持って選択することは簡単ではない.

Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー! クスリとリスク・4

テオフィリン中毒

著者: 上田剛士

ページ範囲:P.612 - P.615

症例
 患者:71歳,男性.
 現病歴:1週間前に37℃後半の発熱,湿性咳嗽が出現した.気管支炎に伴う気管支喘息の急性増悪として,クラリスロマイシン400mg/日の処方を受けた.その後,発熱と咳嗽は改善したが,食欲低下が続くために再受診した.
 既往歴:陳旧性心筋梗塞,慢性心不全,高血圧症,気管支喘息,肺気腫.
 内服薬:ACE阻害薬,ループ利尿薬,アスピリン,テオフィリン400mg/日,吸入ステロイド/長時間作用型β刺激薬合剤.
 喫煙歴:3カ月前に知人が肺癌となったことをきっかけに,禁煙.
 テオフィリン血中濃度は28mg/lであり,テオフィリン中毒と考えられた.
 Q:なぜ,もともと内服していたテオフィリンが,今回中毒症状をきたすことになったのでしょうか?

臨床の勘と画像診断力を鍛える コレクション呼吸器疾患[51]

胸部異常陰影を指摘され受診し労作時呼吸困難を伴っていた58歳男性

著者: 藤田次郎 ,   宮城征四郎

ページ範囲:P.616 - P.621

本連載では,沖縄県臨床呼吸器同好会の症例検討会をもとに,実況中継形式で読者のみなさんに呼吸器内科疾患を診る際のポイントとアプローチ方法を伝授したいと思います.宮城征四郎先生の豊富な臨床経験に基づいたコメントに注目しながら読み進めてください.画像診断のポイントと文献学的考察も押さえています.それでは早速始めましょう.今月のテーマは,胸部異常陰影を指摘され受診し労作時呼吸困難を伴っていた58歳男性に対するアプローチです.

Dr.加藤の これで解決!眼科Q&A相談室・10

フルオレセイン染色はいつどのように行うのか?

著者: 加藤浩晃

ページ範囲:P.622 - P.623

今月のQuestion
本連載第5回「ドライアイ」のテーマの時に,“フルオレセイン染色”について言及されていますが,全くなじみがありません.フルオレセイン染色はどのように実施するのでしょうか(簡単にできるものなのでしょうか)? また,どのような時に検査するのでしょうか?

バックナンバー

ページ範囲:P.626 - P.626

次号予告

ページ範囲:P.628 - P.628

基本情報

総合診療

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 2188-806X

印刷版ISSN 2188-8051

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バックナンバー

33巻12号(2023年12月発行)

特集 海の外へ渡る航行者を診る—アウトバウンドにまつわるetc.

33巻11号(2023年11月発行)

特集 —続・総合診療外来に“実装”したい—最新エビデンスMy Best 3

33巻10号(2023年10月発行)

特集 ○×クイズ110問!日常診療アップグレード—Choosing WiselyとHigh Value Careを学ぼう

33巻9号(2023年9月発行)

特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門

33巻8号(2023年8月発行)

特集 都市のプライマリ・ケア—「見えにくい」を「見えやすく」

33巻7号(2023年7月発行)

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33巻6号(2023年6月発行)

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33巻4号(2023年4月発行)

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27巻1号(2017年1月発行)

特集 総合診療の“夜明け”—キーマンが語り尽くした「来し方、行く末」

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