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文献概要
特集 The 初診外来 【初診のみかた】
全身倦怠感
著者: 任瑞1 小曽根早知子2
所属機関: 1筑波大学附属病院 総合診療グループ 2筑波大学大学院 地域医療教育学講座
ページ範囲:P.656 - P.660
文献購入ページに移動慢性疲労症候群に対してBPSモデルで介入した一例
患者:39歳,女性.
現病歴:半年前から,休息しても改善に乏しい全身倦怠感,全身の筋肉の張り感,多関節痛,頭痛,集中力低下,不眠が出現し,家事を行うことが困難となった.複数の医療機関を受診するも原因不明であり,診断がつかないことに不安を感じ,当院を受診した.家庭環境としては子どもが2人いて,また復職予定であったが,夫は仕事が忙しくほとんど家事を手伝えない状況であった.
多彩な随伴症状があるも,各種検査では異常所見がなく,診断基準を満たしたため「慢性疲労症候群」と診断した.本人に病名を伝えて不安解消に努め,BPSモデルを考慮して評価を行い,社会面の問題に関して夫との共通理解を深めるように促した.薬物療法は行わず,認知行動療法やストレッチを指導した.その後,症状は徐々に改善傾向となった.
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