文献詳細
特集 The 初診外来
【初診のみかた】
文献概要
Case
慢性疲労症候群に対してBPSモデルで介入した一例
患者:39歳,女性.
現病歴:半年前から,休息しても改善に乏しい全身倦怠感,全身の筋肉の張り感,多関節痛,頭痛,集中力低下,不眠が出現し,家事を行うことが困難となった.複数の医療機関を受診するも原因不明であり,診断がつかないことに不安を感じ,当院を受診した.家庭環境としては子どもが2人いて,また復職予定であったが,夫は仕事が忙しくほとんど家事を手伝えない状況であった.
多彩な随伴症状があるも,各種検査では異常所見がなく,診断基準を満たしたため「慢性疲労症候群」と診断した.本人に病名を伝えて不安解消に努め,BPSモデルを考慮して評価を行い,社会面の問題に関して夫との共通理解を深めるように促した.薬物療法は行わず,認知行動療法やストレッチを指導した.その後,症状は徐々に改善傾向となった.
慢性疲労症候群に対してBPSモデルで介入した一例
患者:39歳,女性.
現病歴:半年前から,休息しても改善に乏しい全身倦怠感,全身の筋肉の張り感,多関節痛,頭痛,集中力低下,不眠が出現し,家事を行うことが困難となった.複数の医療機関を受診するも原因不明であり,診断がつかないことに不安を感じ,当院を受診した.家庭環境としては子どもが2人いて,また復職予定であったが,夫は仕事が忙しくほとんど家事を手伝えない状況であった.
多彩な随伴症状があるも,各種検査では異常所見がなく,診断基準を満たしたため「慢性疲労症候群」と診断した.本人に病名を伝えて不安解消に努め,BPSモデルを考慮して評価を行い,社会面の問題に関して夫との共通理解を深めるように促した.薬物療法は行わず,認知行動療法やストレッチを指導した.その後,症状は徐々に改善傾向となった.
参考文献
1)Stewart M, et al : Patient-Centered Medicine 3rd edition. Radcliffe Medical Press, 2014. <BPSモデルなどの家庭医療学について,体系的にまとまっている>
2)徳田安春:バイタルサインでここまでわかる! OKとNG.カイ書林,2010. <バイタルサインの重要性についてしっかりと学べる内容になっている>
3)前野哲博,松村真司:帰してはいけない外来患者.医学書院,2012. <外来でのピットフォールについて,実例つきでわかりやすく解説されている>
4)Spitzer RL, et al : Validation and utility of a self-report version of PRIME-MD ; the PHQ Primary Care Study. JAMA 282(18): 1737-1744, 1999. <PHQの原著論文.興味がある方は一読してもよいかもしれない>
5)倉恒弘彦,他:「慢性疲労症候群の実態調査と客観的診断法の検証と普及」研究班ホームページ,平成21〜23年度厚生労働科学研究(障害者対策総合研究事業).http://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/guide/efforts/research/kuratsune/(2016年7月11日現在) <慢性疲労症候群の診断と鑑別すべき疾患についてまとめられている>
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