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文献詳細

雑誌文献

総合診療26巻9号

2016年09月発行

文献概要

What's your diagnosis?[165]

樹に交われば痛くなる

著者: 横江正道1 吉見祐輔1 末松篤樹1 宮川慶1 渡邉剛史1 笹島沙知子1 野口善令1

所属機関: 1名古屋第二赤十字病院 総合内科

ページ範囲:P.720 - P.723

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病歴
患者:64歳,男性,消防士.ADL自立,独居.
主訴:発熱,下痢.
現病歴:10年前くらいから軟便・水様便がよく出るようになった.2年前からは水様便の頻度が増加し,ほぼ毎日出るようになった.時おり37℃台前半の微熱が出現することもあった.5カ月前に下痢に加えてひどい腹痛があり,かかりつけ医を受診し,腹部骨盤部造影CT,上部・下部消化管内視鏡検査を施行されるも,小腸浮腫と大腸憩室多発の指摘のみであった.その後も腹痛・下痢・微熱が持続しており,当科受診となった.
嗜好品:喫煙・飲酒ともになし.
渡航歴:なし.
結核曝露歴:なし.
家族歴:父は心筋梗塞,母は多発性のう胞腎.
既往歴:多発性のう胞腎(9年前から血液透析導入),高血圧,痛風.
内服薬:メサラジン,ファモチジン,沈降炭酸カルシウム,アロプリノール,アーガメイト

参考文献

1)山木万里郎:血液透析患者にみられたイオン交換樹脂製剤による腸炎の1例.透析会誌41:207-212,2008. <本症例に類似した症例報告>
2)市川 健,他:ポリスチレンスルホン酸カルシウム(CPS)による回腸狭窄をきたした1例.臨床外科71(2):241-245,2016. <本症例に類似した症例報告>
3)Trottier V, et al : Ileocolic perforation secondary to sodium polystyrene sulfonate in sorbitol use ; a case report. Can J Gastroenterol 23(10) : 689-690, 2009.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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