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文献詳細

雑誌文献

総合診療26巻9号

2016年09月発行

文献概要

特集 症状・症候別 エコーを使った診断推論─Point-of-Care超音波 【総論】

病歴と身体所見に基づいたエコーを使った診断推論—「Point-of-Care超音波」というコンセプト

著者: 亀田徹1

所属機関: 1安曇野赤十字病院救急科

ページ範囲:P.726 - P.729

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「Point-of-Care超音波」とは?
 超音波(エコー)は,検査室で専門家が行う場合と,診療医(clinician)がベッドサイドで行う場合とに分けられる.前者は適切に精度管理がなされ一定の質が保たれているが,後者の診療医がベッドサイドで行う超音波に関してはどうだろうか?
 非侵襲的で手軽な超音波は,不慣れであってもとりあえず施行可能だが,現状ではその活用は各診療医の裁量に委ねられている.また本邦では,診療医がどのレベルで超音波を施行するのが妥当か明示されていない.さらに,超音波のトレーニングを受ける機会も限られている.その結果,いわゆる超音波の専門家ではない診療医が施行する超音波は,一定の質が確保されず,また同僚や他科の医師との間で「情報の共有」が難しく,臨床の現場では正当な評価が得られにくい.

参考文献

1)亀田徹,他:急性期診療におけるpoint-of-care ultrasonography.日救急医会誌26(4) : 91-104, 2015. <急性期診療における超音波の意義,研究,利用法,課題についての総説>
2)American College of Emergency Physicians : Emergency ultrasound guidelines. Ann Emerg Med 53(4) : 550-570, 2009. <救急超音波診療指針として大変参考になる>
3)Sivitz AB, et al : Evaluation of acute appendicitis by pediatric emergency physician sonography. Ann Emerg Med 64(4) : 358-364, 2014. <小児救急医による虫垂炎の超音波診断の報告>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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