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特集 症状・症候別 エコーを使った診断推論─Point-of-Care超音波 【症状・症候別 各論】
腸管の動きも診たい!消化管エコー—腹部膨満
著者: 小縣正明1
所属機関: 1神戸市立医療センター西市民病院救急総合診療部
ページ範囲:P.756 - P.760
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患者:73歳,男性.
主訴:腹部膨満,便秘.
既往歴:3カ月前より前立腺癌に対してホルモン治療開始.手術歴なし.
現病歴:1カ月前より便秘があり,10日前より腹部膨満感と食欲不振を伴った.吐き気・嘔吐や腹痛はなかった.腹部膨満感の増強のため,かかりつけ医を受診し,救急外来に紹介された.最終排便は4日前で,血便はなかった.便秘薬の服用はなかった.1年前と比べて体重が5kg減少した.
身体所見:血圧136/92mmHg,脈拍数98回/分,体温36.8℃,SpO2 93%(room air).貧血なし.
腹部は緊満しているが,筋性防御や腹膜刺激症状,圧痛はなかった.直腸指診で腫瘤や血便を触れず,鼠径部に膨隆を認めなかった.
患者:73歳,男性.
主訴:腹部膨満,便秘.
既往歴:3カ月前より前立腺癌に対してホルモン治療開始.手術歴なし.
現病歴:1カ月前より便秘があり,10日前より腹部膨満感と食欲不振を伴った.吐き気・嘔吐や腹痛はなかった.腹部膨満感の増強のため,かかりつけ医を受診し,救急外来に紹介された.最終排便は4日前で,血便はなかった.便秘薬の服用はなかった.1年前と比べて体重が5kg減少した.
身体所見:血圧136/92mmHg,脈拍数98回/分,体温36.8℃,SpO2 93%(room air).貧血なし.
腹部は緊満しているが,筋性防御や腹膜刺激症状,圧痛はなかった.直腸指診で腫瘤や血便を触れず,鼠径部に膨隆を認めなかった.
参考文献
1)Ogata M, et al : Abdominal sonography for the diagnosis of large bowel obstruction. Surg Today 24(9) : 791-794, 1994. <大腸イレウスの診断にも超音波検査が有用であることを示した報告>
2)Ogata M : General Surgery Applications. In Ma OJ, et al(eds) : Emergency Ultrasound(3rd ed). pp273-317, McGraw Hill, New York, 2014. <外科的腹部救急疾患に対する超音波検査の適用を紹介している>
3)Ogata M, et al : Abdominal sonography for the diagnosis of strangulation in small bowel obstruction. Br J Surg 81(3) : 421-424, 1994. <超音波を用いた絞扼性イレウスと単純性イレウスの鑑別についての報告>
4)Hollerweger A, et al : Transabdominal ultrasound of the gastrointestinal tract. In Dietrich CF(ed) : EFSUMB European Course Book on Ultrasound. EFSUMB, 2012. <ヨーロッパ超音波学会作成のテキストブックにも腸閉塞の超音波像が紹介されている>
5)The Royal College of Radiologists : Ultrasound training recommendations for medical and surgical specialties(2nd ed). The Royal College of Radiologists, London. 2012. <超音波を専門としない臨床医のためのトレーニング・カリキュラムではLevel 1 competencyとしてsmall bowel obstructionが含まれている>
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