文献詳細
文献概要
特集 症状・症候別 エコーを使った診断推論─Point-of-Care超音波 【症状・症候別 各論】
黄疸の鑑別に利用したい!胆道エコー—黄疸
著者: 松坂俊1
所属機関: 1手稲渓仁会病院 総合内科/感染症科
ページ範囲:P.761 - P.765
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ビリルビンの軽度上昇?
患者:80代,女性.
主訴:嘔吐,右側胸部の違和感.
既往歴:高血圧,脂質代謝異常.
現病歴:来院前日に食後に嘔吐し,右側胸部の違和感を感じ,その後も続いていたため来院した.寒気が軽度あったが,発熱には気づかなかったという.
嗜好歴:飲酒・喫煙・タバコなし.
現症・採血結果:全身状態は良好.眼球結膜には黄染を認めない.腹部は平坦だが,右季肋部に腫瘤を触れて圧痛を認める.くも状血管腫や手掌紅斑,腹壁静脈の怒張は認めない.血圧は問題なし.37.7℃の発熱を認める.WBC 19,300/μL,CRP 13.6mg/dL,T-Bil 2.3mg/dL,D-Bil 1.4mg/dL,ALP 227mg/dL,AST/ALT 23/14U/dL,γGTP 60U/dL.
ビリルビンの軽度上昇?
患者:80代,女性.
主訴:嘔吐,右側胸部の違和感.
既往歴:高血圧,脂質代謝異常.
現病歴:来院前日に食後に嘔吐し,右側胸部の違和感を感じ,その後も続いていたため来院した.寒気が軽度あったが,発熱には気づかなかったという.
嗜好歴:飲酒・喫煙・タバコなし.
現症・採血結果:全身状態は良好.眼球結膜には黄染を認めない.腹部は平坦だが,右季肋部に腫瘤を触れて圧痛を認める.くも状血管腫や手掌紅斑,腹壁静脈の怒張は認めない.血圧は問題なし.37.7℃の発熱を認める.WBC 19,300/μL,CRP 13.6mg/dL,T-Bil 2.3mg/dL,D-Bil 1.4mg/dL,ALP 227mg/dL,AST/ALT 23/14U/dL,γGTP 60U/dL.
参考文献
1)Keith Hopcroft, et al : Symptom Sorter(5th Edition). CRC Press, 2014. <症状別に病気の頻度が書いてあります.イギリスの本で輸入でしか買えません>
2)柴田寿彦,他(訳).Steven McGee:マクギーの身体診断学(改訂第2版)(原書第3版).診断と治療社,2014. <身体所見の基本,意外と間違って理解しているものもあるので,見直すと勉強になります>
3)河合忠,他(編):異常値の出るメカニズム(第6版).医学書院,2013.
4)Pickuth D, et al : Detection of choledocholithiasis ; comparison of unenhanced spiral CT, US, and ERCP. Hepatogastroenterology 47(36)1514-1517, 2000. <総胆管結石,胆囊結石に対する単純CTとUS,ERCPの感度特異度,総胆管結石を疑う場合にはMRCPまたはERCPが最終的には必要>
5)Shea JA, e al : Revised estimates of diagnostic test sensitivity and specificity in suspected biliary tract disease. Arch Intern Med 154(22) : 2573-2581, 1994.
掲載誌情報