文献詳細
What's your diagnosis?[169]
文献概要
病歴
患者:70代、女性。
主訴:左手の屈曲拘縮。
現病歴:自宅で午睡から覚醒したところ、立ち上がれなかったため救急要請。来院時38.1℃の発熱を認め、右下腿の発赤・熱感があり、蜂巣炎を疑われて入院、セファゾリンが開始された。入院第2病日、両肩の発赤・腫脹・疼痛が出現し、穿刺液からピロリン酸カルシウムが検出され、「偽痛風」と診断、ナイキサンR600mgを開始した。入院第3病日に血液培養陰性が確認され、セファゾリンを中止。左肩の発赤腫脹は軽快傾向であったが、第5病日には左手背および手指関節に発赤・腫脹・疼痛が出現。第9病日にコルヒチンR0.5mgを追加した。以後、体温は36.5℃まで解熱、左肩や手の腫脹・発赤は消退したものの、左手の疼痛は持続していた。入院第2週に、左手指の屈曲拘縮が生じた(写真1)。
既往歴:高血圧、右人工骨頭置換術後。
内服薬:徐放性ニフェジピン20mg1錠分1。
患者:70代、女性。
主訴:左手の屈曲拘縮。
現病歴:自宅で午睡から覚醒したところ、立ち上がれなかったため救急要請。来院時38.1℃の発熱を認め、右下腿の発赤・熱感があり、蜂巣炎を疑われて入院、セファゾリンが開始された。入院第2病日、両肩の発赤・腫脹・疼痛が出現し、穿刺液からピロリン酸カルシウムが検出され、「偽痛風」と診断、ナイキサンR600mgを開始した。入院第3病日に血液培養陰性が確認され、セファゾリンを中止。左肩の発赤腫脹は軽快傾向であったが、第5病日には左手背および手指関節に発赤・腫脹・疼痛が出現。第9病日にコルヒチンR0.5mgを追加した。以後、体温は36.5℃まで解熱、左肩や手の腫脹・発赤は消退したものの、左手の疼痛は持続していた。入院第2週に、左手指の屈曲拘縮が生じた(写真1)。
既往歴:高血圧、右人工骨頭置換術後。
内服薬:徐放性ニフェジピン20mg1錠分1。
参考文献
1)益田郁子:偽痛風(CPPD結晶沈着症)とその治療.綜合臨床 59(2): 281-286, 2010-2012. <CPPD沈着症についての病態や治療について解説>
2)Gerster JC, et al : Upper limb pyrophosphate tenosynovitis outside the carpal tunnel. Ann Rheum Dis 48(8): 689-691, 1989. PMID 2551257 <CPPDが腱鞘に付着した3症例について紹介>
3)内田淳正(監修):標準整形外科学.医学書院,2011. <整形外科について初学者向きの1冊>
4)Green DP, et al, 1998/薄井正道(監訳):Greenの手の外科手術.pp2211-2217, 2003 <手外科専門医の先生オススメの,手外科専門医必携の書>
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