総合診療27巻10号

2017年10月発行

オール沖縄！カンファレンス・10

Horse or Zebra? It's Zorse!—胸痛の原因を探せ！

著者： 戸塚大幾¹ 轟純平² 徳田安春³

所属機関： ¹中部徳洲会病院 ²中部徳洲会病院内科・循環器科 ³臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄センター

ページ範囲：P.1380 - P.1385

CASE
患者：自宅で長男夫婦・孫と生活している、89歳、男性。
主訴：胸痛。
既往歴：前立腺癌（T3aN0M0）術後9年、多発性大腸ポリープ切除後4年。
内服薬：アミトリプチリン塩酸塩20mg、アビラテロン酢酸エステル1,000mg、プレドニゾロン10mg。
家族歴：特記事項なし。
生活歴：元重機修理工。大酒家で喫煙歴なし。
現病歴：前立腺癌術後で泌尿器科通院中。2カ月前から上記内服薬を開始している。来院4日前に両足痛で整形外科を受診し、両足関節炎の診断を受けた。来院3日前から臥位で深吸気時に増強する左前胸部痛を自覚。自宅にて経過をみていたが、痛みが徐々に強くなり、安静時呼吸困難も出現したため、深夜に救急外来を受診。痛みは座位にて軽快するが、前傾姿勢では変化なし。嘔気・冷や汗・頭痛・放散痛は認めなかった。

参考文献

1）Araújo-Fernández S, et al : Drug-induced lupus ; Including anti-tumour necrosis factor and interferon induced. Lupus 23（6）: 545-553, 2014. PMID 24557776

2）Tetikkurt C : Drug-induced Lupus Syndrome. J Vasc 2 : 115, 2016.

3）鈴木 毅：高齢者における全身性エリテマトーデスの診断と治療．Geriatric Medicine 50（6）: 707-711, 2012.