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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻11号

2017年11月発行

文献概要

特集 今そこにある、ファミリー・バイオレンス|Violence and Health 【子ども虐待】

「救急(ER)」で子ども虐待を見逃さないために—診療医の気づきが“救命”につながる

著者: 岩田賢太朗1 伊原崇晃1

所属機関: 1東京都立小児総合医療センター 救命・集中治療部 救命救急科

ページ範囲:P.1492 - P.1497

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見逃すわけにはいかない
 普段、成人を診療しているみなさまにとって、「見逃したら予後不良となる疾患」というと、どのようなものが思い浮かぶでしょうか? 急性喉頭蓋炎でしょうか。脳卒中でしょうか。急性心筋梗塞でしょうか。小児においては、「虐待」が見逃してはならない疾患群の代表です。

参考文献

1)厚生労働省 雇用均等・児童家庭局:平成27年度 児童虐待相談対応件数(速報値),2016. http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000132381.html
2)National Institute for Health and Care Excellence draft guideline : Child abuse and neglect ; recognising, assessing and responding to abuse and neglect of children and young people. NICE, 2017. 〈NICEから出されている最新の指針案。膨大な量で読むのには一苦労です〉
3)奥山眞紀子,他:一般医療機関における子ども虐待初期対応ガイド,厚生労働科学研究費補助金子ども家庭総合研究事業. http://jamscan.jp/manual.html 〈子ども虐待の診療フローをわかりやすく記載している〉
4)Section on Radiology ; American Academy of Pediatrics : Diagnostic imaging of child abuse. Pediatrics 123(5): 1430-1435, 2009. PMID 19403511 〈部位別に推奨される画像検査をまとめた米国小児学会からのポリシーステートメント〉
5)Barber I, et al:The yield of high-detail radiographic skeletal surveys in suspected infant abuse. Pediatr Radiol 45(1): 69-80, 2015. PMID 24997790
6)古川理恵子:虐待を疑わせる所見.河野達夫:小児救急で求められる単純X線写真,Ⅴ骨軟部・その他.小児診療 79(8): 1097-1101, 2016. 〈虐待に特徴的な骨折の画像を、いくつか提示している〉
7)村上珠菜,他:身体的虐待を疑う外傷.井上信明:子どもの外傷─小児科医でもできること,小児科医だからこそできること,Ⅰ小児科医でもできる外傷診療.小児診療 79(1): 57-63, 2016. 〈虐待を疑う場合の診療方法について、わかりやすくまとめている〉
8)児童相談所全国共通ダイヤル:☎189(24時間365日対応). 〈発信した電話の市内局番などから地域を特定し、近くの児童相談所へ転送される。覚え方は「イチハヤク(189)」〉
9)日本小児科学会 こどもの生活環境改善委員会:子ども虐待診療の手引き,第2版.2014. https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/abuse_all.pdf 〈子ども虐待について、一通りの内容が書いてある〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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