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特集 今そこにある、ファミリー・バイオレンス|Violence and Health 【子ども虐待】
「プライマリ・ケア外来」でも子ども虐待を見逃すな!—「家族をすべて診る」という視点で
著者: 高村昭輝1
所属機関: 1金沢医科大学 医学教育学
ページ範囲:P.1498 - P.1501
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家庭で「祖母」から虐待を受けていた一例
患者:3歳、男児。
主訴:咳、鼻水。
経過:待合室では静かに遊んでいる。診察室でも特に問題ある行動などはないが、「衣服」が身体に合わず小さい。また、年齢に比して「身長」と「体重」の伸びが悪く、「発語」も少ない。母親との関係に違和感はなく、むしろ、いつもべったりとくっついて、こちらの顔色をうかがっている。
経済的な問題があるのかもしれないと想定して母親に確認したところ、同居の祖母(本児の父親の母)が本児の姉だけを非常にかわいがり、本児にはけがをしない程度の身体的虐待があり、食事も別テーブルで食べさせられ、新しい衣服も買い与えられていない状況であった。しかし母親は、姑である本児の祖母に意見できる関係ではなかった。緊急入院とし、児童相談所に通告し、姑とは別居するに至った。
家庭で「祖母」から虐待を受けていた一例
患者:3歳、男児。
主訴:咳、鼻水。
経過:待合室では静かに遊んでいる。診察室でも特に問題ある行動などはないが、「衣服」が身体に合わず小さい。また、年齢に比して「身長」と「体重」の伸びが悪く、「発語」も少ない。母親との関係に違和感はなく、むしろ、いつもべったりとくっついて、こちらの顔色をうかがっている。
経済的な問題があるのかもしれないと想定して母親に確認したところ、同居の祖母(本児の父親の母)が本児の姉だけを非常にかわいがり、本児にはけがをしない程度の身体的虐待があり、食事も別テーブルで食べさせられ、新しい衣服も買い与えられていない状況であった。しかし母親は、姑である本児の祖母に意見できる関係ではなかった。緊急入院とし、児童相談所に通告し、姑とは別居するに至った。
参考文献
1)高屋和志:子ども虐待と開業医の役割.小児科臨床 69(12):2749-2754, 2016.
2)佐藤千秋,他:聖マリアンナ医科大学病院における児童虐待事例の検討.聖マリアンナ医科大学雑誌 32(2):93-97, 2004.
3)井上登生:知っておきたい用語の解説 代理ミュンヒハウゼン症候群.小児科臨床 63(6):1117-1119, 2010.
4)杉山登志郎:子ども虐待という第四の発達障害(ヒューマンケアブックス).学研プラス,2007.
5)村上珠菜,他:身体的虐待を疑う外傷.小児科診療 79(1):57-63, 2016.
6)三木裕子:愛情遮断症候群(角川oneテーマ21).角川書店,2001.
7)吉田敏子:児童養護施設入所児の身長発育に関する研究─心理的,社会的背景の身長発育に与える影響.小児保健研究 70(4):523-528, 2011.
8)下泉秀夫:ネグレクト.小児科臨床 69(12):2723-2729, 2016.
9)田沢茂之:子どもの権利を守る国へ.外来小児科 18(1):82-87, 2015.
10)西澤哲:虐待傾向を呈する親の心理・社会的特徴.外来小児科 18(1):43-47, 2015.
11)木下あゆみ:子ども虐待を見逃さないために─気付けますか? 子どもからのSOS.日小児科医会報 51 : 108-112, 2016.
10)厚生労働省:市町村児童家庭相談援助指針について,2005. http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv-soudanjo-sisin-honbun.html(2017年9月29日現在)
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