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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻11号

2017年11月発行

文献概要

特集 今そこにある、ファミリー・バイオレンス|Violence and Health 【被害者支援】

—これだけは知っておきたい—虐待防止法のしくみと、臨床医に求められること

著者: 野村武司1

所属機関: 1東京経済大学 現代法学部

ページ範囲:P.1511 - P.1515

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「虐待」の背景
 虐待は、一般には「むごく取り扱うこと」「残虐な待遇」といった意味に使われる用語であるが(広辞苑 第6版)、とりわけ、これが養育関係において行われている場合、しばしば、養育に苦しみ、それを解決できないまま追い詰められている養育者の姿に出会うことがある(p.1504)。
 言うまでもなく虐待は、これを受ける者にとって人権侵害に当たり、これにより時として重大な被害が生じ、さらに死に至ることすらある。他方で、その背景に思わず手をあげてしまう養育者の「苦しみ」があることを考えると、虐待防止のためのしくみとしては、虐待を受けた者を早期に発見し確実に保護するものであることに加えて、「予防」や「防止」も含めて、こうした養育者の苦しみを軽減するための支援に厚いものでなければならない G1。

参考文献

1)厚生労働省:雇用均等・児童家庭局総務課長通知「児童虐待の防止等に係る児童等に関する資料又は情報の提供について」.雇児総発1216第1号,2016年12月16日. http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/h28jyouhouteikyou.pdf(2017年9月29日現在)
2)野村武司:要保護児童対策における情報共有と個人情報保護.磯部力先生古稀記念論文集刊行委員会(編):都市と環境の公法学─磯部力先生古稀記念論文集.pp335-355,勁草書房,2016.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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