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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻12号

2017年12月発行

文献概要

特集 小児診療“苦手”克服!!—劇的Before & After “匠”を目指すための9つのワザ

❹問診とコミュニケーション

著者: 武者幸樹子1

所属機関: 1かえでファミリークリニック

ページ範囲:P.1644 - P.1647

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苦手だったあの頃
 私が小児診療が苦手だったのは、泣く子どもが苦手だった頃だ。あやしながら、「まず胸部診察をして、苦手な頭頸部は最後に」と心掛けても、問診の間は静かだった子どもが、聴診器を当てた途端に泣き出して聴診ができない。さらに鼓膜観察のため耳を触った途端に泣いて暴れる、舌圧子を近づけると頑として口を開けない等々、子どもが泣くと、診察が思った通りに進まない。ましてや診察室に入った時点で泣いている子どもには、お手上げの状態だった。子どもが泣くと、「この先生、子どもがうまくみられないのね」とお母さんから評価されたように感じて焦る一方、「泣き止ませるのはお母さんの役目でしょ」と、診療がスムーズに進まない責任を保護者に押しつける思いがあった。結果、子どもとも保護者とも積極的にコミュニケーションがとれず、形式的に診察をし、一方的に病状説明をして終了、という診療だった。

参考文献

1)五十嵐正紘,他(監修):外来小児科 初診の心得21か条(総合診療ブックス).医学書院,2003. 〈実践的な内容で、小児医療に携わる医師、特に小児科を専門にしない医師向け〉
2)加藤英治:症状でみる子どものプライマリ・ケア.医学書院,2010. 〈症例写真が豊富。小児診療の面白さを教えてくれる〉
3)横田俊一郎:一般の小児科外来での対応.小児科診療 71(5):758-762, 2008. 〈「しなければならないこと」「してはならないこと」が列挙されている〉
4)Richard E. Behrman, et al. 2003/衞藤義勝(監修):ネルソン小児科学 原著第17版.エルゼビア・ジャパン,2005. 〈小児科学テキストの最高峰。すべての疾患が網羅されている〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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