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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻2号

2017年02月発行

文献概要

What's your diagnosis?[170]

非対称な夫婦の症状

著者: 島惇1 西口潤1 上田剛士1

所属機関: 1洛和会丸太町病院 救急・総合診療科

ページ範囲:P.140 - P.144

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病歴
患者:67歳、男性。
主訴:膨疹・紅斑。
現病歴:来院当日の18時頃から夕飯を食し、19時頃から孫と一緒に少林寺拳法をした。20時半頃から全身の瘙痒を伴う膨疹・紅斑を自覚した。眼前暗黒感も伴っており、すぐに当院救急外来を受診した。腹痛・嘔吐・下痢・呼吸困難・頭痛はない。夕食の内容は白米、もずく、ヒラメの刺身、アジフライ、焼酎、ビールであり、初めて摂取した食物はなく、同じ食事を摂取した妻は無症状である。普段から毎日のように魚を食べるが、以前にも今回と同様に魚を食べている途中、食後に同症状が出現したことが複数回あり、その度に病院を受診している。
既往歴:糖尿病・高血圧・高尿酸血症。
内服薬:エックスフォージ(ARB/CCB)、グリベンクラミド(SU薬)。
嗜好歴:喫煙;10本/日、飲酒;焼酎1合+ビール350mL/日。

参考文献

1)Charles Feng, et al : Histamine(scombroid)fish poisoning ; a comprehensive review. Clinic Rev Allerg Immunol 50(1): 64-69, 2016. PMID 25876709 <ヒスタミン中毒に関するレビュー>
2)登田美桜,他:国内外におけるヒスタミン食中毒.Natl Inst Health 127 : 31-38, 2009. <日本における1998〜2008年のヒスタミン中毒89件に関する報告>
3)Maintz L, et al : Histamine and histamine intolerance. Am J Clin Nutr 85(5): 1185-1196, 2007. PMID 17490952 <ヒスタミン不耐症に関するレビュー>
4)Demoncheaux JP, et al : A large outbreak of scombroid fish poisoning associated with eating yellowfin tuna(Thunnus albacares)at a military mass catering in Dakar, Senegal. Epidemiol Infect 140(6): 1008-1012, 2012. PMID 21875451 <セネガルに滞在するフランスの軍隊に発症したヒスタミン中毒71人の報告>
5)Kohn JB, et al : Is there a diet for histamine intolerance? J Acad Nutr Diet 114(11): 1860, 2014. PMID 25439083 <ヒスタミンが豊富に含まれる食事に関しての説明>
6)Wöhrl S, et al : Histamine intolerance ; like symptoms in healthy volunteers after oral provocation with liquid histamine Allergy Asthma Proc 25(5): 305-311, 2004. PMID 15603203 <健常者に対して経口でヒスタミンを投与しても、約50%に症状が認められた>
7)Kofler L, et al : Histamine 50-Skin-Prick Test ; a tool to diagnose histamine intolerance. ISRN Allergy. 1-5, 2011. PMID 23724226 <50-Skin-Prick Testの方法と診断特性についての説明>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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