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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻4号

2017年04月発行

文献概要

What's your diagnosis?[172]

ヒールの高いキャビンアテンダントにメロメロ

著者: 横江正道1 久田敦史1 吉見祐輔1 末松篤樹1 宮川慶1 渡邉剛史1 飛田晶1 野口善令1

所属機関: 1名古屋第二赤十字病院総合内科

ページ範囲:P.410 - P.413

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病歴
患者:69歳、女性。
主訴:左後頭部痛、発熱。
現病歴:3カ月前頃から、左後頭部・耳介後部に、押さえるとズキッと痛みが走る感覚を自覚した。うつむくと左前額部が痛い感じがすることも自覚していた。20日前頃に、発熱と咳嗽が出現して近医を受診。感冒としてクラリス®などを処方されたが改善せず、クラビット®が処方された。5日前に近医を再診した時には、発熱や咳嗽は落ち着いていたが、CRP(C反応性蛋白)が高値であったため、他院を紹介されて受診。頭部の違和感が持続していることを伝えたところ、頭部CTが施行されたが、異常所見は指摘されなかった。
 「原因不明」ということでクラビット®は中止するように指示され、当院総合内科を紹介された。当科受診時には、頭部違和感はまだ継続しており、左側頭部、左耳介後部にピリピリとした痛みがある。押さえなければ痛くはないが、押さえるとズキッとした痛みがある。視力障害や皮疹はない。左肩甲骨や左乳房の下部にも痛みがあり、ズキッとした痛みで、咳をすると響く感じがするとのこと。発熱は38℃を超えることはなく、36〜37℃台で推移している。
職業:書道講師。
生活習慣:ADL自立。
嗜好品:喫煙なし、飲酒なし。
渡航歴:海外旅行歴なし。3カ月前に沖縄への旅行歴あり(結核曝露歴なし)。
家族歴:特記すべきことなし。
既往歴:28歳で帯状疱疹。48歳で子宮内膜症・卵巣囊腫にて手術歴あり。左滲出性中耳炎を指摘されたことあり(詳細不明)。高血圧・脂質異常症・糖尿病なし。
内服薬:アセトアミノフェン頓服(5日前からクラビット®とロキソプロフェンは中止)

参考文献

1)田井宣之,他:悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症.medicina 53(13): 2188-2191, 2016.
2)村山 徹:血液悪性疾患にみられる対応を急ぐ合併症.medicina 47(13): 2104-2107, 2010.
3)Chen P, et al :Multiple bone lesions and hypercalcemia presented in diffuse large B cell lymphoma ; mimicking multiple myeloma? Int J Hematol 91(4): 716-722, 2010. PMID 20379806 〈今回の症例に類似した症例報告〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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