文献詳細
文献概要
特集 病歴と診察で診断できない発熱!—その謎の賢い解き方を伝授します。 【総論】とはいえ、基本は病歴と身体所見!
原因不明の発熱の原因と、やってはいけないこと
著者: 岸田直樹1
所属機関: 1一般社団法人Sapporo Medical Academy
ページ範囲:P.416 - P.419
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患者:64歳、男性。
現病歴:3週間前から38℃近い発熱あり。近医を受診して「風邪」と言われ、セフカペンピボキシル、総合感冒薬、ロキソプロフェンなど処方されるも、発熱が持続したため再度受診したところ、抗菌薬がレボフロキサシンに変更となった。その後全身に紅斑を認めたため薬疹が疑われたが、発熱も認めたため、近くの総合病院に紹介入院となった。
入院後、レボフロキサシンを中止しメロペネムを開始するも、解熱を認めずロキソプロフェン定期内服としていたが、解熱は認めず。バンコマイシンとミカファンギンも併用としたが、熱源不明のまま腹痛・下痢を認め、腎機能も悪化したため、ステロイドパルス療法を開始したうえで2日目に当院総合診療科へ転院となった。
来院時、全身に色素沈着を認める皮疹が残存し、血液検査でも腎障害に加えて肝障害も認めた。また、Glu 600mg/dLと著明な高血糖を認め血液検査をしたところ、HbA1cが9.0%あり、バイタルサインは安定していたため、ひとまず血糖コントロール以外のすべての治療を中止し、仕切り直すこととした。
患者:64歳、男性。
現病歴:3週間前から38℃近い発熱あり。近医を受診して「風邪」と言われ、セフカペンピボキシル、総合感冒薬、ロキソプロフェンなど処方されるも、発熱が持続したため再度受診したところ、抗菌薬がレボフロキサシンに変更となった。その後全身に紅斑を認めたため薬疹が疑われたが、発熱も認めたため、近くの総合病院に紹介入院となった。
入院後、レボフロキサシンを中止しメロペネムを開始するも、解熱を認めずロキソプロフェン定期内服としていたが、解熱は認めず。バンコマイシンとミカファンギンも併用としたが、熱源不明のまま腹痛・下痢を認め、腎機能も悪化したため、ステロイドパルス療法を開始したうえで2日目に当院総合診療科へ転院となった。
来院時、全身に色素沈着を認める皮疹が残存し、血液検査でも腎障害に加えて肝障害も認めた。また、Glu 600mg/dLと著明な高血糖を認め血液検査をしたところ、HbA1cが9.0%あり、バイタルサインは安定していたため、ひとまず血糖コントロール以外のすべての治療を中止し、仕切り直すこととした。
参考文献
1)Petersdorf RG, et al : Fever of unexplained origin ; report on 100 cases. Medicine(Baltimore)40 : 1-30, 1961. PMID 13734791
2)Durack DT, et al : Fever of unknown origin ; reexamined and redefined. Curr Clin Top Infect Dis 11 : 35-51, 1991. PMID 1651090
3)Mourad O, et al : A comprehensive evidence-based approach to fever of unknown origin. Arch Intern Med 163(5): 545-551, 2003. PMID 12622601
4)Sakihama T, et al : Use of peripheral parenteral nutrition solutions as a risk factor for Bacillus cereus peripheral venous catheter-associated bloodstream infection at a Japanese tertiary care hospital ; a case-control study. Jap J Infect Dis 69(6): 531-533, 2016. PMID 26902219
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