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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻4号

2017年04月発行

文献概要

#総合診療

#書評:『感染対策40の鉄則』

著者: 青木眞

所属機関:

ページ範囲:P.486 - P.486

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 おそらく感染管理ほど日本の医療文化の病理・弱点を端的に象徴する領域はない。日本環境感染学会が大変な賑わいをみせる一方で、行政からの通達は実効性を欠き、各医療機関の感染管理担当者が抱く不全感は消えることがない。その理由は、感染管理という仕事が、問題を定義し、その解決に必要な要素を決定、対策の効果を測定する……といった疫学的な業務に加えて、臨床各科や看護部、病院管理部など利害を異にする各部門間の調整をする……といった日本人が最も苦手なことを要求することにある。1人の患者の血圧を外来で目標値に移行させるといった作業とは、およそ対照的であり、どこか「巨大な軍隊組織の運用」対「一兵卒の射撃訓練」の対比に似る。前者には冷徹な数理・統計的な素養と人間関係の機微に対する洞察が求められるが、後者は基本的に個人が「匠の技で一生懸命やる」ものである(*感染症専門医に感染管理も期待するといった混乱も、このあたりの整理が不十分であることに起因している)。
 内容は極めて密度が濃く、参考文献もほとんどが過去数年以内の新しいものであり、著者の地道な努力を物語っている。「鉄則」を一部ご紹介すると……。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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