文献詳細
特集 コミュニケーションを処方する—ユマニチュードもオープンダイアローグも入ってます!
【実践編】
「人生の最終段階」の支援のためのコミュニケーション—アドバンス・ケア・プランニングを始めよう
著者: 山田康博1 森川日出男1
所属機関: 1国立病院機構 東京医療センター 総合内科
ページ範囲:P.609 - P.614
文献概要
患者: 86歳、男性。78歳の時に起こした左脳梗塞を契機にADLが低下し、現在は要介護4となっている。
食事は自宅で妻と娘がきざみ食をつくり介助下に摂取しているが、84歳・85歳の時には誤嚥性肺炎となって市中病院に入院した。入院中に家族は「急変時の蘇生行為は行わない」ことを決めていたが、「治癒の可能性のある医療は行ってほしい」との方針だった。2度目の入院では、過活動性せん妄も起こしていた。あなたは訪問診療を行っているが、今後、同様のことが起こった場合に、どのようにするかは決めていなかった。
ある日、患者の妻から「昨日も痰がすごく多かったんです。また肺炎を起こしたのかしら?同じことの繰り返しで、このままでいいのか、私から夫には話せなくて……。先生、どうしたらいいですか?」とのお話があった。今後の方針について、あなたはこの患者と腰を据えて話をしてみようと考えている。
参考文献
掲載誌情報