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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻5号

2017年05月発行

特集 コミュニケーションを処方する—ユマニチュードもオープンダイアローグも入ってます!

【実践編】

「人生の最終段階」の支援のためのコミュニケーション—アドバンス・ケア・プランニングを始めよう

著者: 山田康博1 森川日出男1

所属機関: 1国立病院機構 東京医療センター 総合内科

ページ範囲:P.609 - P.614

文献概要

Case
患者: 86歳、男性。78歳の時に起こした左脳梗塞を契機にADLが低下し、現在は要介護4となっている。
 食事は自宅で妻と娘がきざみ食をつくり介助下に摂取しているが、84歳・85歳の時には誤嚥性肺炎となって市中病院に入院した。入院中に家族は「急変時の蘇生行為は行わない」ことを決めていたが、「治癒の可能性のある医療は行ってほしい」との方針だった。2度目の入院では、過活動性せん妄も起こしていた。あなたは訪問診療を行っているが、今後、同様のことが起こった場合に、どのようにするかは決めていなかった。
 ある日、患者の妻から「昨日も痰がすごく多かったんです。また肺炎を起こしたのかしら?同じことの繰り返しで、このままでいいのか、私から夫には話せなくて……。先生、どうしたらいいですか?」とのお話があった。今後の方針について、あなたはこの患者と腰を据えて話をしてみようと考えている。

参考文献

1)Henry C, et al:Advance Care Planning;A Guide for Health and Social Care Staff. NHS National End of Life Care Programme, Leicester, 2007. http://www.ncpc.org.uk/sites/default/files/AdvanceCarePlanning.pdf
2)Lo B:Improving care near the end of life. Why is it so hard? JAMA 274(20): 1634-1636, 1995. PMID 7474253
3)NHS Lothian, University of Edinburgh Primary Palliative Care Research Group:Supportive & Palliative Care Indicators Tool. 2010. http://www.spict.org.uk/
4)厚生労働省:人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン.2007. http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisyu_iryou/index.html
5)Jonsen AR, et al. 1992/大井玄,他(監訳):臨床倫理学──臨床医学における倫理的決定のための実践的なアプローチ.新興医学出版社,1997.
6)神戸大学医学部:患者の意向を尊重した意思決定のための研修会.人生の最終段階における医療体制整備事業(平成28年度 厚生労働省委託事業),2016. http://jigyou.com/endoflife/general.html

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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