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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻5号

2017年05月発行

文献概要

特集 コミュニケーションを処方する—ユマニチュードもオープンダイアローグも入ってます! 【スペシャル・アーティクル】

—人工知能技術が紐解くコミュニケーション・ケア—認知症ケアを高度化する「見立て」と「学びの環境」

著者: 竹林洋一1 上野秀樹23 石川翔吾4

所属機関: 1静岡大学 創造科学技術大学院 2千葉大学医学部附属病院 地域医療連携部 3敦賀温泉病院 4静岡大学大学院 総合科学技術研究科

ページ範囲:P.615 - P.620

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なぜ「人工知能」を使うのか
 認知症への医療やケアは発展途上にあり、ユマニチュード(Humanitude®)のようなケアによって、認知症の人の行動・心理症状や精神症状を改善できることがわかってきた1、2)。しかし、それら高度な認知症ケアの有効性を、医学や看護学などの従来の研究手法だけで評価するのは難しい。
 ただでさえ、医療・介護現場は閉鎖的で、認知症のケアは主観的になりやすい。認知症ケアの高度化を図るには、認知症の人の状態を記述し、複雑なコミュニケーションスキルを形式知化して、その効果を客観化する必要がある。
 そこで、「情報学」や「人工知能学」に基づく“evidence-based care”の確立が求められる。

参考文献

1)上野秀樹:認知症 医療の限界,ケアの可能性.メディカ出版,2016.
2)竹林洋一:「当たり前」あるいは「達人の技」の細部を分析する──認知症情報学によるユマニチュードの“見える化”.訪問看護と介護 20(4):285-290, 2015.
3)竹林洋一,他:認知症の人の情動理解基盤技術とコミュニケーション支援への応用.人工知能学会近未来チャレンジプロジェクト.2014. http://uepd.takebay.net/(2017年4月10日現在)
4)石川翔吾,竹林洋一:エビデンスを生み出す認知症情報学──情動理解基盤技術とコミュニケーション支援.人工知能学会誌 32(1):103-110, 2017.
5)Omata A, et al : Constructing a video-based remote coaching platform to develop professional skills in dementia care, 10th World Conference of Gerontechnology, 2016.
6)Minsky M. 2006/竹林洋一(訳):ミンスキー博士の脳の探検——常識・感情・自己とは.共立出版,2009.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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