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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻6号

2017年06月発行

文献概要

What's your diagnosis?[174]

Déjà vu? C'est ma vie!

著者: 吉田常恭1 加賀屋沙永子2 酒見英太1

所属機関: 1洛和会音羽病院総合内科 2石巻赤十字病院腎臓内科

ページ範囲:P.706 - P.710

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病歴
患者:さまざまな既往を持ちながらも、認知症なくIADL(手段的日常生活動作)も自立の、92歳、独居男性。
主訴:全身浮腫。
現病歴:来院約1カ月前から前腕や下腿の浮腫と労作時の呼吸困難が出現し、来院までの1カ月の間に顔面浮腫もきたして体重増加傾向にあった。来院3日前より食欲が低下したため、かかりつけ医に相談の結果、当院へ紹介された。悪寒・発熱・寝汗はない。気道症状、腹部症状、便の性状変化、泌尿器症状、脱力・しびれも自覚していない。
既往歴:虫垂摘出(20代)、肺結核(20歳)、狭心症(70歳)、前立腺肥大症(75歳)、大腸癌手術(80歳)、糖尿病(83歳)、右総頸内頸動脈狭窄(84歳)、慢性腎臓病。半年前に胃前庭・十二指腸びらんと癒着性イレウスで入院。薬物・食物アレルギーはない。
薬剤歴:ニフェジピン除放剤、カルベジロール、アスピリン、ロスバスタチン、タムスロシン、オメプラゾール、酸化マグネシウム、ピコスルファート。
生活歴:偏食なし。飲酒せず。喫煙は成人後82歳まで20本/日。

参考文献

1)Braamskamp MJ, et al : Clinical practice. Protein-losing enteropathy in children. Eur J Pediatr 169(10): 1179-1185, 2010. PMID 20571826 〈もともとPLGEは小児に多く,本論文も小児を対象としたReview articleであるが,診断から治療までまとまっていて1つだけ読むならこの論文〉
2)Russo T, et al : Protein-losing gastropathy associated with cytomegalovirus infection in a child. BMJ Case Rep 2012. PMID 22736777 〈CMV胃腸炎によるPLGEのCase Report.急性期に生検検体におけるCMV免疫染色を行っている〉
3)Kalkan IH, et al : What is the most accurate method for the diagnosis of cytomegalovirus(CMV) enteritis of colitis? Turk J Gastroenterol 21(1): 83-86, 2010. PMID 20549887 〈CMV胃腸炎の診断法について検討した論文.封入体を検出する組織生検は,特異度は100%であるが,感度は約20%であり,陰性でも否定できない.代替法としてウイルス抗原検査やPCR,血清抗体などを用いる〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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