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オール沖縄!カンファレンス・6
急速に進行する全身痛の原因は何か?
著者: 篠原正樹1 徳田安春2
所属機関: 1沖縄県立八重山病院 2臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄センター
ページ範囲:P.780 - P.784
文献購入ページに移動患者:33歳、男性。石垣島在住だが、仕事の関係でA離島に3カ月前から滞在していた。
主訴:全身痛。
既往歴:痔瘻(32歳頃から、2015年9月痔瘻根治術施行)、右手蜂窩織炎(30歳時)。
家族歴:特記事項なし。
生活歴:建築業。飲酒は泡盛1〜2合/日。喫煙なし。
現病歴:来院前日に両側腓腹筋の痛みを自覚するも、ロキソプロフェンナトリウムを1錠内服し改善した。来院当日16時頃から再び両側腓腹筋に痛みが発症し、次第に下肢全体の痛みとなり、その後は腰部、背部へと筋痛が広がったため、17時30分にA離島診療所を受診した。悪寒あり、悪寒戦慄なし、悪心あり、嘔吐なし、下痢なし。数日前より痔瘻から排膿があった(A離島診療所を受診時、つかまり歩きは可能な状態)。
バイタルサイン:意識清明、血圧160/100mmHg、体温37.1℃、脈拍数110回/分、呼吸数24回/分、酸素飽和度99%(室内気)。全身状態不良、発汗著明で、背部を中心とした疼痛を苦悶様に訴えた。輸液にて経過観察するも、痛みは全身へ広がり、四肢の自動困難となったため、精査加療目的で当院へ緊急ヘリ搬送となった。
sick contact:海や河川への接触なし、先行感染なし、周囲に同様の症状の人はいない。
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