icon fsr

文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻6号

2017年06月発行

文献概要

みるトレ Special・6

アカリを照らせ!

著者: 忽那賢志12

所属機関: 1国立国際医療研究センター 2国際感染症センター・総合感染症科

ページ範囲:P.791 - P.795

文献購入ページに移動
CASE 6
患者:40歳台、女性。生来健康、特記すべき既往歴なし。
主訴:発熱、皮疹。
現病歴:来院5日前から発熱と頭痛、関節痛があり、遷延するため、来院3日前に近医を受診し、インフルエンザ迅速検査を行ったが陰性であった。来院前日から顔面・体幹に皮疹が出現してきたため再度近医を受診し、精査・加療目的で当院に紹介となった。
性交渉歴:過去1年間なし。
森林曝露歴:発熱が出現する12日前に、福島県楢葉町の郭公山で登山をした。
review of systems:(+)発熱、頭痛、皮疹、関節痛。
(-)咳嗽、咽頭痛、痰、下痢、嘔気、筋肉痛、排尿障害。
身体所見:体温38.7℃、血圧102/76mmHg、脈拍数87回/分、呼吸数20回/分、SpO2 98%(室内気)。
眼球結膜充血なし。口腔内にKoplik斑なし、咽頭発赤なし。顔面全体に紅斑が散在(図1)。
呼吸音清、心雑音なし。腹部は平坦・軟で圧痛なし、肝臓・脾臓を触れない。左下腹部に中心が一部黒色化し周囲の発赤を伴う硬結を認める(図2)。体幹にも淡い紅斑を認めるが、四肢には皮疹を認めない。

参考文献

1)Kim DM, et al:Clinical usefulness of eschar polymerase chain reaction for the diagnosis of scrub typhus ; a prospective study. Clin Infect Dis 43(10): 1296-1300, 2006. PMID 17051495
2)Lee N, et al:Risk factors associated with life-threatening rickettsial infections. Am J Trop Med Hyg 78(6): 973-978, 2008. PMID 18541779
3)馬原文彦:日本紅斑熱の発見と臨床的疫学的研究.モダンメディア 54(2): 32-41, 2008.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら