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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻7号

2017年07月発行

文献概要

特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 3 カリスマ編 【各論】 System1|電光石火の感染症snap diagnosis

豚骨ラーメンは、やっぱり死ぬほど美味しい!

著者: 清田雅智1

所属機関: 1飯塚病院 総合診療科

ページ範囲:P.886 - P.891

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Case
半日でショック状態になって受診した敗血症の一例
患者:67歳、男性。ADL自立。
家族歴:特になし。
現病歴:前日19時まで、普段どおりの仕事(豚の骨を砕いて、飼料や豚骨スープの原料にする)をしていた。20時に夕食をとり、普段どおり22時に就寝した。1時頃に中途覚醒し、2回嘔吐して再度就寝。5時頃に起床したが、こたつの中で「寒気がする」と言って震えており、顔面が紅潮していた。6時に救急外来へ搬送された。
 身体所見は、体温40℃、血圧60/30mmHg、脈拍数126回/分、呼吸数24回/分、SpO2 80〜90%(室内気)。顔面に紫斑あり、粘膜浮腫や出血なし、右肺野にcracklesあり。
検査所見:病歴からoverwhelming sepsisが疑われたが、CT検査では脾臓は正常、末梢血目視でもHowell-Jolly小体はなかった。肝硬変の病歴も身体所見も乏しく、血液検査では免疫グロブリンの産生低下や補体(C3、C4、CH50)の低下もなかった。
診断・治療:当初、重症敗血症との判断でメロペネムが投与されたが、血液培養からレンサ球菌が検出されて「toxic shock like syndrome(毒素性ショック様症候群)」が疑われ、抗菌薬をセフトリアキソン+クリンダマイシンに変更した。のちに培養結果からStreptococcus suisであるとわかり、アンピシリン+クリンダマイシンにて治療し、2週間後に回復した。

参考文献

1)Reese and Betts:A practical approach to infectious diseases, 4th ed. Little Brown & Co, 1996.
2)Chambers HF : Staphylococcal purpura fulminans; a toxin-mediated disease?. Clin Infect Dis 40(7): 948-950, 2005. PMID 15824984
3)Facklam R : What happened to the streptococci ; overview of taxonomic and nomenclature changes. Clin Microbiol Rev 15(4): 613-630, 2002. PMID 12364372
4)竹内壇:ブタレンサ球菌感染症.臨床と微生物 42(1): 21-26, 2015.
5)Wertheim HF, et al : Streptococcus suis ; an emerging human pathogen. Clin Infect Dis 48(5): 617-625, 2009. PMID 19191650
6)Yang QP, et al : Autopsy report of four cases who died from Streptococcus suis infection, with a review of the literature. Eur J Clin Microbiol Infect Dis 28(5): 447-453, 2009. PMID 18958507

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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