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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻7号

2017年07月発行

文献概要

オール沖縄!カンファレンス・7

真実はいつも1つ! 病歴聴取の大切さを学ぶ

著者: 坂口公太1 新里敬1 徳田安春2

所属機関: 1中頭病院 総合内科 2臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄センター

ページ範囲:P.938 - P.942

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CASE
患者:30代、男性。
主訴:10日前から持続する発熱と咽頭痛。
現病歴:来院10日前に発熱・咽頭痛を主訴に近医受診。「急性咽頭炎」と診断され、経口抗菌薬(セフカペンピボキシル)を処方された。抗菌薬4日目に胸部に皮疹が出現したため、内服を中止した。その後も発熱・咽頭痛が持続したため、当院救急外来を受診。この時咳嗽はなく、胸部の皮疹は消失していた。家族・友人・同僚に、同様の症状を呈している者はいないとのことだった。
既往歴:14年前に下肢の骨腫瘍(詳細不明)の手術を受けた際、術前検査で梅毒血清抗体「陽性」を指摘された(治療歴は不明)。その後の受診歴なし。
薬剤歴:経口セフカペンピボキシル(近医より処方)。その他の内服薬なし。サプリメントの常用もなし。
家族歴:特記事項なし。
生活歴:これまで喫煙歴なし。飲酒はビール6〜7杯/週1程度。独身。
職業歴:福祉関連の仕事に従事。職場環境からの曝露因子はないとのこと。
渡航歴:最近5年間はなし。
動物接触歴:猫との接触や、ヤギの刺身・馬刺しの摂取なし。
性交渉歴:最近1年間は交渉歴はなし。

参考文献

1)Ressel G, et al:Principles of appropriate antibiotic use ; Part Ⅳ. Acute pharyngitis. Am Fam Physician 64(5):870, 875, 2001. PMID 11563576 〈溶連菌感染症について,スコアを用いて診断する内容〉
2)Wolf DM, et al:Lymphocyte-white blood cell count ratio : a quickly available screening tool to differentiate acute purulent tonsillitis from glandular fever. Arch Otoloryngol Head Neck Surg 133(1):61-64, 2007. PMID 17224526 〈伝染性単核球症の場合,血液検査でL/W ratio(リンパ球数/白血球数比)が有用〉
3)Evans AS:Infectious mononucleosis and related syndrome. Am J Med Sci 276(3):325-339, 1978. PMID 217270 〈伝染性単核球症の原因ウイルスの頻度について〉
4)Braun DL, et al:Frequency and Spectrum of Unexpected Clinical Manifestation of Primary HIV-1 Infection. Clin Infect Dis 61(6):1013-1021, 2015. PMID 25991469 〈急性HIV感染症の主要症状のうち頻度について〉
5)Bennett JE, et al:Mandell, Douglas, and Bennet's Principles and Practice of Infectious Disease. 8th ed. pp1754-1771, Saunders, 2014. 〈EBVやCMVによる伝染性単核球症の症状と比較について〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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