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#総合診療
#書評:『ニッチなディジーズ—あなたがみたことのない病気を診断するための講義録』
著者: 忽那賢志1
所属機関: 1国立国際医療研究センター 国際感染症センター・総合感染症科
ページ範囲:P.975 - P.975
文献購入ページに移動 ニッチなディジーズ……要するに稀な疾患のことである。私もこれまでに「本邦初の○○」といった感染症をいくつか診断している“ゼブラハンター”なのだが、そんな私を「あいつはシマウマ探しばかりしてるだけだ」などと揶揄する人もいるという。しかし、稀な疾患の診断というのは、医師にとって、まさに國松淳和氏の言うとおり「僥倖」なのである。
近い将来、AI(人工知能)の技術が医師の仕事を奪っていくことになるだろう。内視鏡検査、超音波検査、そして外科手術まで……。しかし、そうしたなかで一番AIに取って代わられにくい領域はどこか? 2017年4月に開催されたあるシンポジウムでのそんな質問に対して、AI技術の専門科である医療CGプロデューサー瀬尾拡史氏とメディアアーティストの落合陽一氏は、「超珍しい病気の診断はAIにはできないだろう」と答えていた。話している内容が難しすぎて半分くらいしか理解できなかったが、要するに“超珍しい疾患”だと統計的な処理ができずAIには向かないとのことであった。すなわち、“ニッチなディジーズ”を診断することは、医師に残された最後の聖域とも言える。
近い将来、AI(人工知能)の技術が医師の仕事を奪っていくことになるだろう。内視鏡検査、超音波検査、そして外科手術まで……。しかし、そうしたなかで一番AIに取って代わられにくい領域はどこか? 2017年4月に開催されたあるシンポジウムでのそんな質問に対して、AI技術の専門科である医療CGプロデューサー瀬尾拡史氏とメディアアーティストの落合陽一氏は、「超珍しい病気の診断はAIにはできないだろう」と答えていた。話している内容が難しすぎて半分くらいしか理解できなかったが、要するに“超珍しい疾患”だと統計的な処理ができずAIには向かないとのことであった。すなわち、“ニッチなディジーズ”を診断することは、医師に残された最後の聖域とも言える。
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